[震災10年 復興の先へ] トウガラシ 新たな特産に 栽培仲間集め一味を商品化 福島県南相馬市 小高工房・廣畑さん
2020年12月29日

「トウガラシは完熟品を使い、辛味と風味のバランスにこだわる」と話す廣畑さん(福島県南相馬市で)
東京電力福島第1原子力発電所から20キロ圏内にある福島県南相馬市小高地区。2016年に避難指示が解除されたものの、住民の居住率はいまだ53%と低い。そんな中、1人の女性が新たな特産づくりで町おこしをしようと「小高トウガラシプロジェクト」を発足させた。地域住民と手を取り合い、かつてのにぎわいを取り戻すため奮闘する。(高内杏奈)
呼び掛け人は、トウガラシの加工を手掛ける小高工房の廣畑裕子さん(62)。……
大好きな町 取りたい戻し
呼び掛け人は、トウガラシの加工を手掛ける小高工房の廣畑裕子さん(62)。……
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「BUZZ MAFF」 Jリーグとコラボ動画 若者に農業PR 農水省
農水省は15日、公式ユーチューブチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、サッカーJリーグと連携した動画の投稿を始めた。地域の農業への理解や関心を深めてもらうため、Jリーグチームの行う農林水産業の取り組みを同省職員の「ユーチューバー」が発信する。第1弾としてJ2の松本山雅FC(長野県)、J3の福島ユナイテッドFC、ガイナーレ鳥取との動画を投稿した。
「ばずまふ」は、職員の個性や発想を生かした動画を投稿し、農業への関心が薄い若者を含めて広く情報を発信している。 現在、動画の総再生回数は620万回以上。スポーツチームと連携してPRに取り組むのは初めて。
松本山雅FCと連携した動画では、黒ずくめのばずまふユーチューバーが登場。休耕地で地域の住民と連携して1トンの青大豆を生産する取り組みを紹介し、青大豆を使った新しいスイーツの開発に挑戦する。
選手が生産した農産物を販売する「農業部」がある福島ユナイテッドFCとの動画では、選手が自ら作った米をPRする。東北農政局の職員が米を食べ、自作の応援ソングも披露する。ガイナーレ鳥取と連携した動画では、中国四国農政局の職員が、チームの職員と地域の休耕地を利用して芝生を生産・販売する取り組みについて語り合う。
今後も、全国のチームと連携した動画を配信していく。同省は「農業に取り組むクラブは他にもある。地域の農業への理解が深まれば」(広報評価課)と期待を寄せる。
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2021年01月16日
農地特区 特例2年延長決定 「全国展開前提でない」 担当相
政府は15日の国家戦略特区諮問会議で、兵庫県養父市で認めている企業による農地取得の特例について、8月末の期限を2年間延長する方針を決めた。2021年度中に特例のニーズや問題点を調査し、全国展開の可否について調整する。坂本哲志地方創生担当相は同日の閣議後記者会見で、調査は「全国展開を前提にしたものではない」と述べた。期限の延長を盛り込んだ同特区法改正案は、18日召集の通常国会に提出する。
書面開催した同特区諮問会議で政府は、同市の特例措置について、「ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても来年度中に実施し、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行う」との方針を提示した。……
2021年01月16日
種豚改良に育種価活用 繁殖能力向上へランキング公表 国純会、今春めど
種豚場など国内の豚の育種・改良関係者らでつくる国産純粋種豚改良協議会(国純会)は「種豚の遺伝能力ランキング」を今春にも公表する。生存産子数など繁殖に関する能力の順位で、ランドレース、大ヨークシャー、デュロックが対象。雄は上位10頭、雌は上位50頭の順位の他、将来は産肉能力に関する育種価を示し、国産種豚の改良を促す。
国内の養豚場では、オランダやデンマークから輸入した多産系の種豚が急速に普及。……
2021年01月18日
大雪で物流停滞 ジャガイモ6割高に 貨物列車運休
強い寒波による大雪で物流が乱れ、ジャガイモの供給が全国的に不足している。主産地の北海道産が、積雪の影響で鉄道の運行が止まり、道内に荷物が滞留。本格的な運行再開は週末にずれ込む見込みだ。緊急事態宣言を受けて小売りの仕入れが増える中、需給が逼迫(ひっぱく)し、相場は急騰している。
北海道産のジャガイモやタマネギの輸送は、鉄道が約7割を占める。大雪で7日以降、輸送を担うJR貨物は、道内と本州を結ぶ路線の運行が停止。同社北海道支社によると、全面的な運行再開は、15日になる見通しだ。
同社によると「積雪の影響で1週間以上も運行が止まるのは近年ない」異例の状況。低温のコンテナ内で滞留するとジャガイモやタマネギは凍結する恐れがあり、発送した荷物を産地の倉庫に戻す動きもある。ホクレンが輸送で扱う農産物は、12日時点で3000コンテナ(1コンテナ約5トン)滞留しているとみられ、影響が懸念される。
物流の乱れを受け、産地も対策を講じている。道内のJAは、鉄道からフェリー輸送への切り替えを実施。ただ、「フェリーも先週は一時止まっていたし、港まで運ぶトラックの手配も十分ではない。荷物を出しきれず、選別・出荷作業を止めざるを得ない」という。
品薄の影響は、相場に表れてきた。13日の日農平均価格(各地区大手5卸のデータを集計)はジャガイモが1キロ173円と、過去5年平均比の57%高に高騰。卸売会社は「玉付きが少なく不足感がある中で物流も停滞し、逼迫の度合いは増した。日頃取引のないスーパーからも注文が入るほど小売りは荷動きが良く、当面は相場の反発が続く」とみる。タマネギは同11%安の76円だが、今後上昇が見込まれる。
果実は、寒波による供給の影響は限定的だ。青森のJAつがる弘前は、リンゴの出荷先の1割強を占める北海道と九州向けを貨物利用しているが、トラック輸送に切り替えて対応している。
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2021年01月14日

日の出パッションフルーツプリン 東京都日の出町
東京都日の出町の温泉施設「生涯青春の湯つるつる温泉」が製造・販売する。町内の野口農園が栽培したパッションフルーツと福嶋牧場の搾りたての牛乳を使った新商品だ。
濃厚な牛乳にジャム状にしたパッションフルーツを練り込んだ。
プリンは柔らかく滑らかな口溶けで、パッションフルーツのソースに入っている果実の種が食感にアクセントを加える。お年寄りから子どもまで楽しめる甘酸っぱくてトロピカルな味わいだ。
同温泉の職員が開発し、週末に売店で販売。「地元の農産物を使った商品開発を展開し、来場客に地場産品をPRしていきたい」と意気込む。
1個200円。問い合わせは「生涯青春の湯つるつる温泉」、(電)042(597)1126。
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2021年01月18日
経済の新着記事

ピーマン平年並みに ジャガイモは物流回復
ピーマンの相場が反発している。日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年の3割安だった年末から、平年並みにまで回復。前進出荷の反動と直近の寒さで、入荷が不安定となっている。一方、品薄高だったジャガイモは大雪で停滞していた物流が復旧し、相場は落ち着く見通しだ。
ピーマンは、年内の前進出荷が顕著だった。12月の大手7卸販売量は1364トンと、平年(過去5年平均)比13%増。中旬に限れば同30%増だった。潤沢な出回りを受け、年末は平年の3割安に低迷していた。
年が明け、相場は急上昇した。1月中旬(18日まで)の日農平均価格は1キロ531円と、同7%安。先週末には平年並みにまで戻した。卸売会社は「年内は相場が安いまま終了した。値頃感があり年明けから引き合いがある中、出回りが減って反発した」とみる。
JA宮崎経済連は「着果負担による花落ちがあり、出荷ペースは減る。ただ、天候は良好で実付きは十分。2月にかけて回復する」と話す。JA高知県も「この時期は元々出荷が減るが、例年よりも1割ほど少ない」という。卸売会社は「短期間で上がりすぎ、小売りの注文控えもみられる。ただ、西南暖地産の出回りが回復する1月末までは、強含みで推移する」と見通す。
ジャガイモは、寒波による大雪で鉄道の運行が止まっていた北海道で、15日以降運行が再開し、入荷が回復してきた。東京都中央卸売市場9市場では、18日の入荷量は635トンと、同じく休市明けの12日から30%増。中旬の日農平均価格は177円と平年比59%高だが、18日は下げに転じた。卸売会社は「凍害も見られず、品質は良好。関西以西の市場はまだ不足感が強いが、高値反動も相まって徐々に相場は落ち着く」とみる。
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2021年01月19日

「スイートピーの日」に向け 150品種を合同展示 主産7県 大田市場で魅力PR
JAグループなど主要産地で作る「日本スイートピーの会」と花き卸の大田花き、フラワーオークションジャパンは18日、東京都中央卸売市場大田市場でスイートピーの合同展示を始めた。21日の「スイートピーの日」に向け、来場する買参人へ主力品種や産地独自品種など、色とりどりのスイートピーをPRする。22日まで。……
2021年01月19日
おうちジビエ試して食べて キャンペーン月末まで 日本食肉消費センター
おうちで手軽にジビエはいかが――。日本食肉消費総合センターは、国産のジビエ(野生鳥獣の肉)を使った加工品が当たる「冬のおうちジビエキャンペーン」を1月末まで行っている。自宅で気軽に楽しめるレトルトカレーや総菜などのプレゼントに加え、料理のレシピも提案する。……
2021年01月18日

緊急事態下、切り花低迷 葬儀縮小し輪菊平年の半値
政府の緊急事態宣言再発令を受け、業務や仏花で使う切り花の相場が大きく下落している。主力の輪菊は平年の半値近くで、カーネーションやスターチスなど他の仏花商材も低迷する。都内卸は「葬儀の縮小が加速して業者からの引き合いが弱く、小売店の荷動きも鈍い」とし、販売苦戦の長期化を警戒する。
日農平均価格(全国大手7卸のデータを集計)を見ると、年明けから軟調だった輪菊の相場は、東京など4都県で緊急事態宣言が発令された後の11日以降、一段と下げが進んだ。11都府県への拡大が決まった13日には1本当たり28円と、昨年4月の宣言発令時以来、9カ月ぶりに30円を割った。15日は35円とやや戻したが、平年(過去5年平均)比28円(45%)安と振るわない。
15日の市場ごとの相場も、前市から小幅に反発した東京こそ39円だったが、大阪と名古屋で27円となるなど、大消費地を抱える宣言発令地域での低迷が目立つ。
輪菊の主産地のJA愛知みなみは「上位等級の値が付かず、平均すると平年より1本当たり30~40円安い。需要の落ち込んだ状況が続けば、来年度は定期契約で販売できる量が減り、作型の変更も検討しなければならない」と訴える。
黄菊の主産県のJAおきなわも「直近まで冷え込みが強く、例年より出荷量が少ないのに相場は上向かない」と、白菊の低迷が黄菊にも影響していると実感する。
スーパーの加工束向けも低調だ。「花持ちする時季で、店の仕入れも進まない」(都内卸)。スターチスは平年比3割安、カーネーションやLAユリは同2割安など、仏花の相場低迷が深刻だ。切り花全体の平均価格も56円と過去5年で最安水準で推移。入荷量は平年以下だが、行事の中止や縮小で需要が減少し供給過多となっている。
別の都内卸は「輪菊は供給量が落ち着けば相場をやや戻す。しかし需要は当面戻らないので、安値の展開は避けられない」と、苦しい販売環境を見通す。
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2021年01月16日

11月 農産物輸出6%増 5カ月連続で回復 家庭需要開拓が鍵
農林水産物・食品の2020年11月の輸出額は889億円で、前年同月から6%増えたことが農水省のまとめで分かった。前年を上回るのは5カ月連続。牛肉が家庭用需要に支えられるなど新型コロナウイルス禍で低迷していた品目が一部回復に向かっている。感染再拡大で外食需要の回復が当面見込めない地域もあり、家庭用需要も含めた開拓が重要になっている。
牛肉は13%増の32億円。国・地域別では米国が2・5倍の5億円。香港、台湾、シンガポールなど主要輸出先で前年を上回った。
JA全農は、米国に現地企業と共同出資し設立した牛肉加工会社で、消費者向けカット商品を販売している。「コロナ禍で和牛の外食需要は減ったが、インターネット販売は好調」という。牛肉の輸出拡大に向けて、ステーキなどで使われる高級部位以外も含めた販路開拓が鍵になっている。
畜産物は鶏卵、豚肉の伸びも大きい。低迷していた日本酒も62%増の31億円と前年を大きく上回った。
一方、援助用を除く米は、1%減の6億円と前年を割った。アジアで業務用需要が回復傾向にあり10月は前年を大きく上回っていたが、11月は苦戦した。リンゴは15億円で34%減となった。青森県によると、最大の輸出先の台湾で南半球産の在庫が多く残っていたことなどが影響したという。
1~11月の累計額は8215億円で前年同期から0・2%減と、前年水準まで回復してきた。ただ、12月は欧州で再び飲食店の営業が規制されるなど新型コロナの影響が再拡大している。政府は30年に5兆円まで増やす目標を掲げるが、20年は1兆円の到達も厳しい情勢だ。
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2021年01月15日

11県合同トマト販促 首都圏100店舗で 鍋料理や機能性宣伝
冬春トマトの主産11県のJAグループが、首都圏のスーパーで合同販促を展開している。11県合同での冬季の店頭販促は初めて。17社と協力し、先週の3連休と今週末に、100を超える店舗で実施する。鍋など体が温まる料理やトマトの機能性を伝えるポスター掲示や推奨販売を通じ、厳寒期の販売を盛り上げる。
参加するのは、茨城、栃木、群馬、千葉、静岡、愛知、岐阜、福岡、佐賀、熊本、宮崎11県のJA全農県本部や経済連。……
2021年01月15日
大雪で物流停滞 ジャガイモ6割高に 貨物列車運休
強い寒波による大雪で物流が乱れ、ジャガイモの供給が全国的に不足している。主産地の北海道産が、積雪の影響で鉄道の運行が止まり、道内に荷物が滞留。本格的な運行再開は週末にずれ込む見込みだ。緊急事態宣言を受けて小売りの仕入れが増える中、需給が逼迫(ひっぱく)し、相場は急騰している。
北海道産のジャガイモやタマネギの輸送は、鉄道が約7割を占める。大雪で7日以降、輸送を担うJR貨物は、道内と本州を結ぶ路線の運行が停止。同社北海道支社によると、全面的な運行再開は、15日になる見通しだ。
同社によると「積雪の影響で1週間以上も運行が止まるのは近年ない」異例の状況。低温のコンテナ内で滞留するとジャガイモやタマネギは凍結する恐れがあり、発送した荷物を産地の倉庫に戻す動きもある。ホクレンが輸送で扱う農産物は、12日時点で3000コンテナ(1コンテナ約5トン)滞留しているとみられ、影響が懸念される。
物流の乱れを受け、産地も対策を講じている。道内のJAは、鉄道からフェリー輸送への切り替えを実施。ただ、「フェリーも先週は一時止まっていたし、港まで運ぶトラックの手配も十分ではない。荷物を出しきれず、選別・出荷作業を止めざるを得ない」という。
品薄の影響は、相場に表れてきた。13日の日農平均価格(各地区大手5卸のデータを集計)はジャガイモが1キロ173円と、過去5年平均比の57%高に高騰。卸売会社は「玉付きが少なく不足感がある中で物流も停滞し、逼迫の度合いは増した。日頃取引のないスーパーからも注文が入るほど小売りは荷動きが良く、当面は相場の反発が続く」とみる。タマネギは同11%安の76円だが、今後上昇が見込まれる。
果実は、寒波による供給の影響は限定的だ。青森のJAつがる弘前は、リンゴの出荷先の1割強を占める北海道と九州向けを貨物利用しているが、トラック輸送に切り替えて対応している。
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2021年01月14日

コロナ禍で業務用卸苦境 家庭向けに販路転換
ドライブスルーネット予約販売
新型コロナウイルスの感染拡大で業務用卸が苦境に立たされている。時短営業や来店客の定員制限などで飲食店向け食材の需要が落ち込んでいるからだ。こうした状況を解決しようと家庭用に販路開拓する動きが進む。
東京都大田区の業務用野菜卸、フードサプライは、4月からキャベツなどの野菜約20種類が入った詰め合わせを1箱3500円からドライブスルー販売する。……
2021年01月12日

国産で輸出加工品を 中国向けに高級ジュース 全農
JA全農はホクレン、サントリーと共同で、輸出向けの高級商品「北海道産プレミアムりんごジュース」を開発し、中国で販売に乗り出した。富裕層がターゲットで、2月に始まる春節での需要を狙う。日本からの農産物加工品は輸入原料が多く、全農は国産を原料にした加工品輸出のモデルとして、新たな需要を開拓したい考えだ。
12月に発売した。原料は北海道産のリンゴで、700ミリリットル瓶2本入りの贈答向けの商品とした。JA全農インターナショナルが開発・輸出し、サントリーの中国法人、三得利が販売する。
新型コロナウイルス禍を踏まえ、eコマース(EC=電子商取引)で販売する。サントリー中国法人のECサイトで、春節向けの贈答品としてPRする。中国で知名度のある、卓球日本代表の石川佳純選手(全農所属)もPRサイトに起用している。また、インターネット交流サイト(SNS)でのPRも予定している。
販売は、価格設定や需要について調べるテスト販売の位置付け。全農は輸出拡大に向けた政府の関係閣僚会議などで、輸出加工品の原料として国産の利用を広げる必要を訴えている。今回の取り組みで、そうしたモデルを率先して探っていく。
全農は「全農グループの素材を生かし、サントリーと共同で新たな輸出の需要を作り出したい」(輸出対策部)と話す。
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2021年01月11日

[新型コロナ] 中華圏向け米輸出拡大 コロナ禍 調理楽しむ若者も増
中華圏(中国、台湾、香港)への日本産米輸出が急増している。高級レストランなどの外食需要に加え、新型コロナ禍による在宅勤務の増加、家庭消費も堅調に伸びている。さらに、巣ごもりで調理を楽しむ若者のニーズもつかんでいる。
人気堅調
北京在住の農産物卸売市場関係者は「調理を楽しむ若者の間で、日本米の人気が高い」と評価する。新型コロナ禍を契機に、自家料理を楽しむ若者が増加。その多くが趣味として新料理に挑戦するが、オンラインで手軽に高級感を味わえる食材が人気を集めており、その一つが日本米という。
日本の財務省貿易統計によると、中華圏向けの2020年1~11月の精米輸出量は、前年比78%増の7523トンと、過去最高だった19年を上回った。そのうち、香港向けが同87%増の4620トンと、6割を占める。台湾、中国向けもそれぞれ、同72%増、59%増となった。
集客要素
岡山県マスコット「ももっち」を活用した日本米祭り(11月、台北SOGO忠孝店で、鼎三国際企業提供)
「外食チェーン店が日本米の取扱量を増やしている」。日本米の大手輸入業者の鼎三国際企業の林定三会長は話す。新型コロナ禍の影響で、外食の回数が減少する中、日本米を取り入れた高級メニューを売りに集客を狙う外食企業が続出しているという。台湾大手食品会社の乾杯集団は、傘下のチェーン店で使用する米全てを日本米にしている。
家庭向けの需要も堅調だ。大手スーパーのSOGOなどは昨年11月20日から10日間、日本米祭りを開いた。新型コロナ禍で来場者は減少したが、期間中、オンライン注文も含め10トンが売れた。1日20袋(5キロ入り)売れた計算だ。
特に、産地キャラクターの登用が成果を上げた。例年、日本の産地から関係者が訪れ会場を盛り上げるが、昨年は新型コロナのため林会長はキャラクターに着目。岡山県の「ももっち」が販促を支援した。林会長は「子連れ家族に人気で販売につながった」と話す。
消費倍増
「米消費が倍に増えたよ」と日本米ファンの50代女性。例年は、共働きで外食が多く、子ども3人も学校で昼食を取っているため、1カ月当たりの消費量は5キロ程度だ。しかし、新型コロナ禍の影響で、在宅勤務が増え、子どもらの休校も重なって「1日3食を家で食べるため、米の減り方が半端じゃない」という。
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2021年01月10日