中国の唐の時代に孫思邈(そんしばく)という仙人がいた

 中国の唐の時代に孫思邈(そんしばく)という仙人がいた。大みそかになると、生薬を入れた袋を酒に浸し、元旦の朝に飲んでいた▼おとそである。いつまでも若くて元気なのは、あの酒のせいではないかとうわさとなり、正月の習慣が生まれた。一説では、仙人のいおり「とそ庵」にちなんで、呼ばれるようになった。「そ」の漢字は「蘇」で「よみがえる」を意味する。つまり、病魔に打ち勝って新しくよみがえる願いを込めた。『身近な「くすり」歳時記』(鈴木昶著)で知った▼いくら薬といっても、飲み過ぎれば毒となる。おせち料理をさかなにやっているうちに、空のちょうしが並ぶ。日常生活を一変させた、新型コロナへの恨みと一緒に飲み干す。体にいいわけがない。そんな凡人の習性を見通すように、体調を整える七草がゆの登場である▼きょうは、七種(ななくさ)の節句。7種類の若草をかゆに入れて食べると、病気にかからず、邪気を払うという中国伝来の習俗が伝わった。平安中期に宮中行事として取り入れられ、江戸後期に庶民の生活に広まった。〈セリ、ナズナ、オギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これぞ七草〉。五七五調のリズムもいい▼雪国は大雪、首都圏は緊急事態宣言へ。門松を外し、正月気分もほどほどに、気を引き締める。

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