11月 農産物輸出6%増 5カ月連続で回復 家庭需要開拓が鍵
2021年01月15日

農林水産物・食品の2020年11月の輸出額は889億円で、前年同月から6%増えたことが農水省のまとめで分かった。前年を上回るのは5カ月連続。牛肉が家庭用需要に支えられるなど新型コロナウイルス禍で低迷していた品目が一部回復に向かっている。感染再拡大で外食需要の回復が当面見込めない地域もあり、家庭用需要も含めた開拓が重要になっている。
牛肉は13%増の32億円。国・地域別では米国が2・5倍の5億円。香港、台湾、シンガポールなど主要輸出先で前年を上回った。
JA全農は、米国に現地企業と共同出資し設立した牛肉加工会社で、消費者向けカット商品を販売している。「コロナ禍で和牛の外食需要は減ったが、インターネット販売は好調」という。牛肉の輸出拡大に向けて、ステーキなどで使われる高級部位以外も含めた販路開拓が鍵になっている。
畜産物は鶏卵、豚肉の伸びも大きい。低迷していた日本酒も62%増の31億円と前年を大きく上回った。
一方、援助用を除く米は、1%減の6億円と前年を割った。アジアで業務用需要が回復傾向にあり10月は前年を大きく上回っていたが、11月は苦戦した。リンゴは15億円で34%減となった。青森県によると、最大の輸出先の台湾で南半球産の在庫が多く残っていたことなどが影響したという。
1~11月の累計額は8215億円で前年同期から0・2%減と、前年水準まで回復してきた。ただ、12月は欧州で再び飲食店の営業が規制されるなど新型コロナの影響が再拡大している。政府は30年に5兆円まで増やす目標を掲げるが、20年は1兆円の到達も厳しい情勢だ。
牛肉は13%増の32億円。国・地域別では米国が2・5倍の5億円。香港、台湾、シンガポールなど主要輸出先で前年を上回った。
JA全農は、米国に現地企業と共同出資し設立した牛肉加工会社で、消費者向けカット商品を販売している。「コロナ禍で和牛の外食需要は減ったが、インターネット販売は好調」という。牛肉の輸出拡大に向けて、ステーキなどで使われる高級部位以外も含めた販路開拓が鍵になっている。

一方、援助用を除く米は、1%減の6億円と前年を割った。アジアで業務用需要が回復傾向にあり10月は前年を大きく上回っていたが、11月は苦戦した。リンゴは15億円で34%減となった。青森県によると、最大の輸出先の台湾で南半球産の在庫が多く残っていたことなどが影響したという。
1~11月の累計額は8215億円で前年同期から0・2%減と、前年水準まで回復してきた。ただ、12月は欧州で再び飲食店の営業が規制されるなど新型コロナの影響が再拡大している。政府は30年に5兆円まで増やす目標を掲げるが、20年は1兆円の到達も厳しい情勢だ。
おすすめ記事

外食売上高21%減 1月、時短営業で客足激減
日本フードサービス協会が25日発表した1月の外食売上高は、前年同月比21・0%減となり、3カ月連続で前月より悪化した。新型コロナウイルス感染再拡大に伴う緊急事態宣言が再発令され、飲食店の時短による客足激減が響いた。
同協会の調査(有効回収222事業者、3万7475店)によると、ファストフードは1・4%減と、2カ月連続でマイナスだった。好調なハンバーガーなど「洋風」は2桁増と、全業態で唯一プラスだった。
ファミリーレストランは34・6%減と、前月より悪化した。このうち「焼き肉」は32・0%減と、下落幅が前月の約3倍に拡大した。
パブ・居酒屋は74・9%減と、最初の緊急事態宣言が発令された昨年5月並みの低水準だった。このうちパブ・ビアホールは79・0%減、居酒屋は73・5%減と、前月より大幅に悪化した。
同協会は「2度目の緊急事態宣言で、対象地域は酒類提供が午後7時まで制限され、飲酒業態は営業にならなかった。休業を選ぶ事業者も出ている」と、危機感を示した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月26日
コロナ下販促支援 2次募集 7月末分まで対象に 農水省
農水省は、新型コロナウイルス禍で売り上げが2割以上落ち込んだ農産物の販売促進活動を支援する「国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業」の2次募集を行う。近く募集を始め、締め切りは4月上旬とする方針。4月中下旬から7月末までの取り組みを対象とする。
2020年度第3次補正予算で250億円を計上した事業だが、緊急事態宣言の再発令による影響なども踏まえ、21年度も支援することにした。……
2021年03月02日

育休復職の不安軽く ウェブで職員研修 業務・環境の変更説明 専門家と育児相談も JA横浜
JA横浜は、育児休暇中の女性職員を対象に「育ママComebackセミナー」を開いている。休暇中に変更された事務手続きの内容などを周知し、職場復帰を支援することが目的。これまで子ども同伴での集合研修だったが、今年度は新型コロナウイルス禍を受けてオンライン形式に変更。このほど34人が参加して、復帰に向けて必要な知識を深めた。……
2021年03月01日

豪雪地帯の除雪ボランティア コロナ乗り越え作業 新潟県「スコップ」
日本海側を中心に記録的な豪雪に見舞われている日本列島。例年なら全国から多くの除雪ボランティアが駆け付けるが、今冬は新型コロナウイルス禍を受け、思うように動けない状況が続く。「除雪に来てくれるのは本当にありがたいが、一方で感染の不安もある」と、受け入れ側もジレンマを抱える中、都市と農村をつなぐ善意の活動をつなげようと奮闘する地区もある。(雫石征太郎)
もっと活動したいが…
新潟県糸魚川市の市街地から山あいに沿って車を30分ほど走らせると、次第に雪景色が広がる。23戸が暮らす柵口(ませぐち)集落に着く頃には、2メートル超の雪の壁が道路両脇にそびえ立つ。周辺に温泉やスキー場があり、場所によっては積雪3メートルを超える。
近年は高齢化が進んで住民だけで除雪するのは難しく、雪で倒壊する空き家も増えてきたという。
山梨県の石川宏さん(67)ら除雪ボランティア「スコップ」のメンバーは22日、集落の高齢者宅周辺の除雪作業に汗を流した。感染対策を徹底し、マスクを着けながらの作業となった。「息苦しいけど、困っている人の助けになればうれしい」。石川さんらは、木造家屋におしかかる雪をスノーダンプやスコップを使って手際よく片付けていった。
新潟県が事務局を務める「スコップ」は、除雪や都市との交流拡大などを目的に、1998年度から活動を始めた。登録者数は2021年1月時点で2134人に上り、6割が県外在住だ。特に東京都など関東圏が半数を占める。記録的少雪だった19年度の活動実績はないが、18年度は6市町(7地域)で10回行い、延べ174人が参加した。
大雪となった20年度はコロナ禍を受けほとんどが受け入れを中止し、柵口集落が初の活動となった。緊急事態宣言が発令された地域や感染者が多い地域のメンバーは対象外とし、石川さんを含め県内外の11人が参加した。県地域政策課の安藤由香主事は「毎年受け入れている地域もあり、今年も除雪の需要はあるはず。ボランティアをきっかけに土地のファンになったという都市住民もいるだけに残念だ」と話す。
「スコップ」は地域住民との交流も活動の一環と位置付ける。しかし柵口集落では“密”になる懇親会は行わず、メンバーは、前日の21日に屋外で開かれる地域のイベント「かまくら祭り」に参加。道路脇の雪の壁に穴を開けて明かりをともす「キャンドルロード」の設営も手伝い、イベントに花を添えた。
同集落区長を務め、水稲を2ヘクタールで栽培する土田茂さん(64)は「スコップに来てもらったのは3回目で、ボランティアの力は本当にありがたい。コロナ対策など慣れない部分はあったが、受け入れることができてほっとしている」と、安堵(あんど)の表情を見せた。
高齢化深刻 交流事業は不可欠
国土交通省によると、糸魚川市を含む全国201市町村が特別豪雪地帯に指定されている。
同地帯の人口を1965年と2015年で比べた場合、32・8%減少している(全国では同28・1%増)。高齢化率も33・1%(2015年)と右肩上がりで、全国の26・6%に比べ深刻だ。
新潟県内の除雪作業中の死傷者は、今冬は242人に上る(22日現在)。うち65歳以上が146人と半数以上を占めた。土田さんは「除雪は高齢者にとって負担が大きいが、過疎化で作業の担い手は減る一方」と指摘。地域のにぎわいのためにも、コロナ禍が終息するよう願っている。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月25日
営農アイデア大賞 農家の知恵共有しよう
優れた技術を生み出した農家を表彰する日本農業新聞の「営農技術アイデア大賞2020」の受賞者が決まった。審査では、生産現場の課題を自ら解消しようと努力した農家の知恵を高く評価した。幅広く共有し、それぞれの営農に取り入れたり、創意工夫のヒントにしたりして経営改善につなげよう。
アイデア大賞は9回目になる。昨年1年間に本紙に掲載した記事を基に、農家が考案した技術を専門家らが審査した。アイデアの独創性とともに、省力性、低コスト化、商品性の向上、取り組みやすさなど経営への貢献度合いを検討した。
大賞には育苗箱運搬器具「はこらく」を開発した黒壁聡さんを選んだ。北海道新篠津村で水稲などを栽培する。自作の金属の枠で、重ねた育苗箱を両脇から挟み、取っ手を握ると3、4枚まとめて運ぶことができる。
審査で高く評価されたのは、米作りで機械化できていない作業の労力を軽減したことだ。大規模化が進む水稲栽培では、わずかな作業でも積み重なると重労働になる。育苗箱への種まきは機械でできるが、入れた土が水を含んで重くなった箱を何千枚も運ぶのはつらい。
ちょっとした現場のストレスを解消しようとする農家ならではの視点も魅力に挙がった。「はこらく」を使えば手が汚れず素手で作業できるため、育苗箱を重ねる際に手袋が挟まることや、手袋を着脱する手間がなくなった。2万円以下の手頃な価格で販売している。
優秀賞の3点には、近年の農業の課題に対応する技術が選ばれた。鹿児島県出水市の松永幸昭さんは、水稲の苗を食害するスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)を捕まえる簡易わなを考案。紙パックに米ぬかと酒かすを入れて水田に入れ、6時間で100匹以上捕まえた。生息域が拡大する中、期待の技術だ。
北海道本別町の楠茂政則さんは、ビニールハウスを振動させて雪を自動で下ろすシステムを構築。高齢化で危険が高まる雪下ろしの作業軽減につながる。
新潟県燕市の農業法人・アグリシップは、梨花粉を混ぜた液体をドローン(小型無人飛行機)で散布し、人工授粉を省力化した。10アールを1分程度でできる。慣行の手作業では4人で1日かかる仕事で、人手不足に対応するのが狙いだ。
アイデア大賞は次回で10回目。21年の記事で紹介する技術が対象となる。できるだけ多く集めたい。情報提供もお願いしたい。これまで受賞した技術のその後の成果や展開、広がりを伝えることも計画している。
自らの創意工夫で技術の改善に取り組む農家同士がつながることも大切である。人手不足など、今回受賞した技術が解決を目指した課題は、日本の農業に共通している。アイデアを交換したり知恵を出し合ったりすることで、技術の底上げや、新たな発想による画期的な技術の誕生が期待される。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年03月02日
経済の新着記事

津波被災地の宮城から サツマイモ 香港へ 安定供給、販路拡大に期待 やまもとファームみらい野と九州の商社
東日本大震災の津波被災地で営農する宮城県山元町のやまもとファームみらい野は、JA宮崎経済連などが出資する商社、九州農水産物直販を通して香港へサツマイモの輸出を始めた。販路確保を目指すファーム側と、九州のサツマイモ基腐病の影響で数量確保が課題となっていた商社の思惑が一致。地域の垣根を越えた連携で、農産物の輸出拡大を目指す。
2月下旬、前年に収穫した「べにはるか」と「シルクスイート」を約3トンを出荷。……
2021年03月02日

ブドウ収穫量 最低 20年産 5%減、16万トンに
2020年産のブドウの収穫量が16万3400トンとなり、前年産より9300トン(5%)減ったことが農水省の調査で分かった。1973年の統計開始以降、最も少ない。主産地の山梨県や岡山県での天候不順などが響いた。果実を収穫するために実らせた結果樹面積は、ほぼ前年並みの1万6500ヘクタールだった。
10アール当たり収量は前年産に比べ50キロ少ない990キロで、11年産(970キロ)に次いで過去2番目に少なかった。収穫量が全国1位の山梨県と同4位の岡山県で、7月の日照不足、8月の高温少雨で果粒の軟化や肥大不良が発生。山梨県でべと病や晩腐病などが発生したことも影響した。
収穫量は13年産から8年連続で減少。農家の高齢化などで、生産基盤の弱体化に歯止めがかかっていない。同省は、昨年改定した果樹農業振興基本方針で、ブドウを含む果樹の生産基盤強化に向け、生産性の向上が見込める省力樹形の導入を推進する方針を掲げた。
21年度予算案には、ブドウの改植で根域制限栽培を導入する場合に10アール当たり100万円を助成するなど果樹支援対策に51億円を計上している。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年03月01日

米の国際価格 じわり上昇 不作、新型コロナ、政情不安… アジアで需給逼迫
米の国際価格がじわり上昇している。アジアの各産地で収穫が遅れ、需給逼迫(ひっぱく)感が強まった。新型コロナウイルス禍のパンデミック(世界的大流行)や、輸出国のミャンマーの軍事クーデターによる影響など先行きの不透明感が広がっている。(特別編集委員・山田優)
国際相場の指標となるタイのインディカ白米の輸出価格は、昨年4月のパンデミックによる買いだめで1トン当たり582ドル(1ドル=約105円)まで上昇した。その後は落ち着いて500ドル前後で推移していたが、12月から上昇に転じた。今年1月は、同560・3ドルで、2月10日には585ドルの高値を付けた。
国連食糧農業機関(FAO)は毎月、アジアを含む世界21の米相場から米の国際指数を発表し、この2カ月間に合わせて5%を超える上昇幅になったと報告。1年前に比べて10%高い水準だ。米の大半を占めるインディカ米の値上がりが目立つ。
FAOによると、主力輸出国であるタイやベトナムで、かんがい水の不足などが原因で減収するとの見通しが広がっていることが、アジアの米価格上昇の理由だ。インドやパキスタンなどは低価格を武器に輸出に意欲的だ。しかし、コロナ禍の影響で搬送に必要なコンテナ船の手配が難しく、中国やフィリピンの前倒しの注文などが重なり、価格を押し上げた。
各国とも現状ではパニック買いなどの混乱は報じられていない。米農務省の調査では、中国などを中心に世界で1億7000万トンを超す豊富な在庫があることから、深刻な米不足による価格急騰などの懸念は小さい。
ただし不安定要因はある。200万トンを超す米輸出国であるミャンマーは2月1日の軍事クーデターで輸出を止めた。国民生活への悪影響を軍事政権が懸念したためとみられる。
FAOのエコノミストで米専門家であるムスタファ・シャーレイ氏は、記者の質問に「ミャンマーは米の作柄が順調ではなく、今年の輸出量は元々過去数年に比べて低調だった。直近の政治的出来事(クーデター)が米需給の見通しを一層不透明にしている」と答えた。
また、混乱が長引けば「ミャンマーの潜在的な可能性に注目して過去10年拡大してきた農業分野への海外からの投資が減り、長期的な生産拡大や輸出に悪影響が出るのではないか」とみている。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月28日
緊急宣言 食品業界に明暗 宅配伸び外食苦境 1月売上高
食料品を扱う各業界の1月売上高がまとまった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言再発令で、家庭内で調理する内食傾向が強まり、食品宅配やスーパーの好調ぶりが目立った。特に宅配は大きく伸びた。一方、外食や百貨店は外出自粛による客足減が響き、落ち込みが大きくなった。……
次ページに食料品を扱う業界の売上高に関する表があります。
2021年02月28日
消費者庁・風評被害の実態調査 福島敬遠 過去最少に
消費者庁は26日、「風評被害」に関する14回目の実態調査の結果を発表した。放射性物質を理由に購入をためらう産地に福島県を挙げた割合は8%で、2013年の調査開始以来、最少だった。一方、食品中の放射性物質の検査が行われていることを知らない人は62%と過去最大を記録。同庁は、情報発信の強化やリスクコミュニケーションを進め、風評被害の払拭(ふっしょく)に取り組む方針だ。
調査は1月15~19日に、被災地域や首都圏、関西などの消費者を対象にインターネットで実施。20~60代の5176人から回答を得た。
購入をためらう産地は福島県が最多の8%だが、初めて調査した13年2月の19%からは年々減少している。この他、被災地を中心とした東北が6%、北関東が2%などとなった。
ただ、食品中の放射性物質の調査が行われていることを知らない人は、前年度に比べ15ポイント増加。食品の放射性物質に関する意識や理解は低下している。
井上信治消費者担当相は同日の会見で「1割弱の方が(震災から)10年たっても購入をためらうと回答されたことは非常に残念」とした上で、正確な情報発信などに引き続き取り組むと強調した。一方、産地を気にする理由で「食品の生産地を応援したい」を選んだ人が14%と過去最も多く、応援消費が広がりを見せている。井上担当相は「被災地の復興を応援するためにも、こうした地域の食品を選んで購入する動きが広がることを期待したい」と呼び掛けた。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月27日
めざせ!ワイン日本一 北海道が研究拠点 北大で専門教育 地元企業寄付講座に出資
北海道などは26日、札幌市に道産ワインに関する教育研究拠点を設置すると発表した。拠点設置に先駆けて始める寄付講座には、民間企業など6者が出資。ワイン生産技術の開発・研究や生産者への高度専門教育を通じて、産地化を進める考え。地場産ワインの研究拠点を開設するのは全国でも珍しい取り組みだ。
北海道大学は4月から3年間、寄付講座として「北海道ワインのヌーヴェルヴァーグ(新しい波)研究室」を開く。……
2021年02月27日

[一村逸品] 大賞 「セミドライフルーツ」 JAふくしま未来
日本農業新聞は25日、第17回一村逸品大賞の中央審査会を東京都内で開き、大賞にJAふくしま未来の「セミドライフルーツ」を選んだ。水分が少し残った半干し状態のドライフルーツで、甘味とうま味を凝縮した。規格外品を活用して販売実績も高く、生産者の所得向上につながっていることなどが評価された。
JAの特産の果物を手軽に食べられるよう、地元企業と連携して商品化した。桃やリンゴ、キウイフルーツ、ブドウ「巨峰」など全部で9種類。
審査委員長で漫画家のやくみつるさんは「9種類あり、バリエーションに富んだ商品。受賞を震災復興のPRにも活用してほしい」と話した。
JAの数又清市組合長は「規格外品を6次化商品として販売することで農家の手取りアップにつなげられる。ドライフルーツ加工が農家のモチベーションとなり、農業の躍進や国消国産につながることを期待したい」と喜びを語った。
大賞に続く金賞には、鳥取県境港市の千代むすび酒造が製造するノンアルコール甘酒「星空舞糀(こうじ)甘酒」、山口県長門市の農村女性起業グループ「ひとまる工房」が作る「長門ゆずきちコンフィチュール」を選んだ。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月26日

外食売上高21%減 1月、時短営業で客足激減
日本フードサービス協会が25日発表した1月の外食売上高は、前年同月比21・0%減となり、3カ月連続で前月より悪化した。新型コロナウイルス感染再拡大に伴う緊急事態宣言が再発令され、飲食店の時短による客足激減が響いた。
同協会の調査(有効回収222事業者、3万7475店)によると、ファストフードは1・4%減と、2カ月連続でマイナスだった。好調なハンバーガーなど「洋風」は2桁増と、全業態で唯一プラスだった。
ファミリーレストランは34・6%減と、前月より悪化した。このうち「焼き肉」は32・0%減と、下落幅が前月の約3倍に拡大した。
パブ・居酒屋は74・9%減と、最初の緊急事態宣言が発令された昨年5月並みの低水準だった。このうちパブ・ビアホールは79・0%減、居酒屋は73・5%減と、前月より大幅に悪化した。
同協会は「2度目の緊急事態宣言で、対象地域は酒類提供が午後7時まで制限され、飲酒業態は営業にならなかった。休業を選ぶ事業者も出ている」と、危機感を示した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月26日

豪にイチゴ初輸出 施設条件クリア 岐阜県・全農
岐阜県、JA全農岐阜、JAぎふは25日、国内トップを切って県産イチゴをオーストラリアへ輸出を始めた。昨年に同国が日本産イチゴの輸入を解禁したのを受け、進めてきた生産や選果梱包(こんぽう)施設の登録などがこのほど完了。同日、岐阜市内の県JA会館前で出発式を開いた。
輸出されるのは(株)本丸いちご本圃(本巣市)が生産した「華かがり」20キロと、JA全農岐阜いちご新規就農者研修所(岐阜市)が生産した「美濃娘」5キロ。
昨年8月に日本からオーストラリアへのイチゴ輸出が解禁され、同年10月から輸出条件となる生産施設の登録申請、選果梱包施設であるJA全農岐阜青果物パッキングセンター(岐阜市)の登録申請、ショウジョウバエ類のトラップ調査などを進めてきた。
2020年度に輸出条件を満たし、登録を受けた生産施設と選果梱包施設は岐阜県だけという。今回のテスト的な輸出を足掛かりに、来シーズン以降に量を増やし、輸出を本格化させたい考え。
出発式で古田肇知事は「今回は日本初の快挙。海外での評価が高い県産イチゴは飛騨牛に続く岐阜県ブランドとして大いにアピールできるはず」とあいさつ。県園芸特産振興会いちご部会の村瀬巧憲部会長は「今後、県内の他の生産者からも希望を募り、生産施設を増やしていく。輸出拡大に向け努力していきたい」と決意を述べた。オーストラリアからの応援ビデオメッセージも披露され、最後は全員で出発するトラックを見送った。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年02月26日
業務用米 再び悪化 1月販売量 前年比3%減
農水省が24日公表した主要卸の1月の米の販売数量は、前年同月から3%減となり、再び前年を下回った。緊急事態宣言の発令で業務用の販売が悪化したことが影響した。昨年12月は、巣ごもり需要の高まりで家庭用米の販売が好調で、全体の販売量は9カ月ぶりに前年を上回っていた。1月も家庭用販売は好調だったものの、業務用の落ち込みを補えなかった。
1月の中食・外食向けの販売数量は13%減となり、前月より5ポイント悪化した。……
2021年02月25日