福島・宮城 震度6強 農家・JA 被害相次ぐ

震度6強の揺れで傾いたイチゴの高設ベンチを、当て木とジャッキアップで応急処置する齋川組合長(15日、福島県相馬市で)

被害状況を確認するJAみやぎ仙南職員(15日、宮城県丸森町で)

 福島県沖を震源とする地震で、福島県や宮城県などの被災地では、15日も被害の復旧作業に追われた。最大の震度6強を記録した福島県相馬市では、観光イチゴ園が被害に遭った高設栽培ベンチの修理を急いだ。宮城県内でもJAの倉庫で米袋が崩れるなど、施設での被害が相次いだ。
 

イチゴ園 復旧懸命 福島・相馬市


 通常なら水平に並ぶイチゴの高設栽培のベンチが、あちこちで大きく傾いている。震度6強を観測した福島県相馬市で、2・2ヘクタールの観光イチゴ園を運営する和田観光苺組合は、15日からハウスの復旧作業を始めた。

 地震翌日の14日、組合員らが見回ると5カ所でベンチの支柱が破損し傾いているのを確認した。同組合の齋川一朗組合長は「ここまで影響が出るほどの地震が来るとは思わなかった」と、戸惑いを隠せない。

 ベンチが水平でないと均等に水が行き渡らず、生育に影響が出る。業者に連絡し、復旧作業が始まった。その他にも土耕栽培で畝が崩れたり、擦れ果が発生したりといった被害も出ている。

 組合は齋川さんら7人で構成する。メンバーは約10年前の東日本大震災を経験。市内では当時、住宅やハウスが津波にのまれる被害が出た。齋川さんは、今回の地震で10年前の被害が頭をよぎった。津波の恐れはないという一報を聞いた時、本当に「ほっとした」と打ち明ける。

 しかし地震の衝撃は大きかった。即座に心配したのが火事だ。ハウスの加温機などに異常が起きていないか確認するため、齋川さんは地震発生直後の14日未明、自宅からハウスに直行した。幸いトラブルはなく「ひとまず安心したが、余震が続いている。また大きな揺れにならないか不安」と気をもむ。

 地震翌日は、組合にとって書き入れ時のバレンタインデー。前日の13日も組合の直売所でイベントを開き、約300人が訪れていた。設備の破損に加え、交通網にも支障が出る中、齋川さんは「観光客も見込めていたので悔しい」と唇をかむ。
 

米袋崩れる 宮城・丸森町


 宮城県内のJA施設では、保管していた米袋が崩れるなど、広い範囲に被害が出ている。

 震度5強を記録した宮城県丸森町。同町にあるJAみやぎ仙南の倉庫では、保管してあった主食用米約250トンが荷崩れを起こし、1トンの米が入ったフレコンバッグが横倒しになった。米が地面にこぼれているものもあり、一部は廃棄せざるを得ない状況だ。

 2019年の台風19号で同町が大きな被害を受けた中、生産者らが懸命の努力で営農再開にこぎ着けた20年産米が出荷を待っていた。JA米穀課の大槻栄俊課長は「慎重に復旧作業を進め、一つでも出荷できるものはしていきたい」と話す。

 JA名取岩沼でも同様に米が入っているフレコンバッグが荷崩れを起こし、重みで倉庫の扉も壊れた。JA宮城中央会によると、県内全JAで壁や天井への亀裂や倉庫の荷崩れといった被害が報告されている。

 福島県内も多くの被害が出ている。JAふくしま未来では、JAが運営するあんぽ柿加工場の窓ガラス約20枚が破損した。職員が後片付けに追われた。県によると、キノコの菌床が落下するなどの被害が報告された他、11カ所のため池に亀裂が入るなどしたため、水位を下げる対策を行った。

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