「種」は全ての源である

 「種」は全ての源である▼詩人吉野弘さんの詩〈種子について〉から引く。〈固い種子―「現在」の評判や関心から無視され それ故、流行に迎合する必要もなく 己を守り 「未来」への芽を 安全に内蔵している種子。人間の歴史にも 同時代の味覚に合わない種子があって 明日をひっそり担っていることが多い。〉。多様な種は、豊かさにつながる▼その種が海外に流れては大変と、流出を食い止める改正種苗法が4月に施行される。育成者が認めた以外の国に故意に持ち出すと、罰則の対象になる。農家からの流出も防ぐ。登録品種の収穫物から種や苗を採って次の作付けに使う自家増殖は、来年4月から許諾が必要になる。伝統的権利を縛ることにならないか不安が渦巻く。グローバル時代の種の権利はどうなるのか▼きょうは雨水。「うすい」と読む。雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃を指す。雪解け水が田畑を潤し、昔から、農耕の準備を始める目安とされてきた。大雪の今冬は、雪国はまだ深い雪に覆われる。それでも、この時季の末候は、「草木(そうもく)萌動(めばえいずる)」。柔らかな春の日差しに、草木が芽吹く▼新型コロナワクチンの先行接種が始まった。あまねく国民に行き渡るまで、“希望の種”を枯らすような事態があってはならない。

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