[米のミライ](6)加工用米 産地と地元実需 協力 活用の裾野広げる 新潟、熊本県
2021年03月04日

「熊本県産こだわり炒飯」の試食をする熊本経済連の職員ら(熊本市で)
「パンやカップ麺のように、手軽に食べてもらえる商品にしたい」。JA熊本経済連は、県産の加工用米を使った冷凍米飯を売り込む。ご飯を炊く手間から国内の精米消費量が落ち込む中でも、電子レンジで調理できる商品ならば、消費者の簡便ニーズに応えられると商機をみる。
2009年から冷凍米飯事業に乗り出し、現在の「熊本県産こだわり炒飯」は、焼き豚やニンジンなど県産品の利用にこだわった5種類を展開。……
2009年から冷凍米飯事業に乗り出し、現在の「熊本県産こだわり炒飯」は、焼き豚やニンジンなど県産品の利用にこだわった5種類を展開。……
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左右とも底に穴が開いた革靴
左右とも底に穴が開いた革靴。あしなが育英会の昨年度の活動報告書に写真が載っていた。病気などで親を亡くした子どもたちを、奨学金で支える民間非営利団体である▼同会から緊急支援金を受け取った奨学生の親から届いた。添えられた手紙には、そのお金で靴を買ったとあり、それまでは「娘もわが家の家計を理解しているので(略)ガムテープを貼って履いていました」▼緊急支援金は全奨学生に、昨年2回給付した。コロナ禍で収入が減り、食費や光熱費も払えず、人生を悲観する保護者が出始めていた。経済格差は教育格差を生み、将来の所得格差をもたらす。菅首相は国民にまずは「自助」を求めたが、その条件を整えるのが政治の仕事である。街頭募金ができない中、同会は寄付を呼び掛け、総額が前年度を上回った。他にも各地で、食の支援を含め、多くの「共助」が生まれた▼ふたり親を含め、政府は低所得の子育て世帯に特別給付金を支給する。「命と暮らしを守り抜く」。首相はそう表明している。子どもの状況に応じて継続的に支援してほしい▼子どもの7人に1人が貧困状態にある。子どもたちが、衣食足りて、安心して勉学に励めるよう、もっと「公助」を、平時から。そう望みたい
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2021年04月14日
台湾、56年ぶり干ばつ 農産物被害 日本産に期待高まる
台湾で昨年、1964年以来初めて台風が上陸せず、降雨量は、地域によっては例年の2~6割に減少した。その影響で、タマネギなどの農産物に被害が生じている。今後も干ばつ傾向が続くことが見込まれることから、有力な輸入国である日本に期待する見方も出ている。
日本の農水省に当たる農業委員会(農委会)によると、昨年、台風が上陸しなかったため降雨量は例年の2~6割に減り、56年間で最も少ない年となった。&
干ばつの影響で、8日現在、3715ヘクタールの農産物に被害が生じている。品目別では、マンゴーへの被害が2162ヘクタールと最も多く、次に茶、梅、タマネギの順となった。
今年1期作としてかんがいが必要な面積は、23万6000ヘクタール。しかし、75%に当たる17万8000ヘクタールで水不足が深刻になる恐れがある。農委会は、今後も干ばつ傾向が続くとみて、関連病害虫の防除を進め、農業被害を最小限に抑えるように呼び掛けている一方、干ばつによるタマネギなど野菜生産量の減少で日本産の需要が高まるとみられている。台湾は昨年、日本から前年の4・3倍に当たる3万7624トンのタマネギを輸入した。日本は、米国や韓国を抜いて初めて輸入量が1位となった。今年1~2月の輸入量も、前年同期の2・8倍の5269トンと1位を維持している。
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2021年04月11日

桜花ゼリー 長野県松川町
長野県松川町内の農家13戸で運営する農産物加工施設「味の里まつかわ」が桜の花を加工し、飯田市の製菓店が製造するゼリー。
原料は、町内で栽培する八重桜の一種で加工用の「関山桜」の花びら。これを梅酢に1週間ほど漬け、製菓店がゼリーに仕上げる。
同町は「竜峡小梅」発祥の地。果肉の部分が多く、かりっとした食感が特徴だ。この梅を使った白梅酢で桜の花を漬け込む。
1袋約80グラム(2個入り)で300円。町内の農産物直売所「あい菜果」や、飯田市の「およりてふぁーむ」農産物直売所、農産物直売所「あざれあ」で販売する。問い合わせは「味の里まつかわ」、(電)0265(36)7122。
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2021年04月13日
3都府県「まん延防止」 コロナ禍出口どこに
政府は9日、新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言に準じた対応が可能となる「まん延防止等重点措置」を東京、京都、沖縄の3都府県に適用することを決めた。対象区域の飲食店は、営業時間の午後8時までの短縮を求められる。影響を受ける外食産業や農家などの関係者からは、コロナの終息に向けた出口が全く見えない状況に「かなり厳しい」「これ以上は限界」といった声が相次いだ。
また時短、限界 消費しぼむ
外食
外食業界団体の日本フードサービス協会は「飲食店は『時短営業対応をいつまで繰り返すのか。いい加減にしてほしい』というのが本音だ」と明かす。感染防止対策でできることは既にやってきたが、これ以上は限界と受け止める。
時短の長期化で、銀行が追加融資を渋る事例が増えており、雇用調整助成金が当初予定の4月末で切れてしまえば、「飲食店が生き延びることはできない」と苦境を訴えた。
野菜仲卸
まん延防止等重点措置の東京都適用を受け、野菜の仲卸業者は「特に酒類を提供する飲食店からの注文は落ち込みが大きくなっている」と明かす。緊急事態宣言の解除後、注文は3割増と回復したが、「感染増加に伴い今週は再び落ち込んだ。大型連休の書き入れ時に重なるのは痛い」と漏らす。
卸売業者も「飲食店向けだった野菜が振り向け先に困り、葉物など足が早い商材は取引価格を大きく下げている」と話す。
酒造組合
度重なる飲食店への時短要請で、需要が大きく減る酒の業界は悲鳴を上げる。日本酒造組合中央会は「飲食店や旅行での消費が減り、酒造メーカーの経営はかなり厳しい。その状況が続く」と話す。高級日本酒を販売する東京都内の酒店は「昨年の春ごろは、自宅消費でインターネット販売が盛り上がったが、その勢いも収まった」と課題をみる。自宅向けの消費挽回に期待するものの、苦戦している状況だ。
作付けどうなる 策尽きた
生産者
東京都あきる野市の長屋太幹さん(39)は、約1ヘクタールでケールやリーキ、ビーツなどを生産し、都内のレストランに出荷している。時短営業の影響を受け、飲食店との昨年の取引額は例年の3分の1程度に落ち込んだという。
都がまん延防止等重点措置の対象となることを受けて「春から飲食店が復活することを期待して、頑張って作付けをしたが、なかなか厳しい」と声を落とす。
飲食店
買い物客がまばらな商店街(9日、那覇市で)
沖縄県では、今月1日から独自で飲食店への時短要請を実施している。JAおきなわの直売所で食材を毎日仕入れる糸満市の飲食店「味どころ田舎家」の高田見発店長は「要請が出た時点で店内での飲食自体を控える動きが増え、夜に加えて昼の客足も落ち込んでいる」と窮状を話す。昼は弁当販売に切り替えたが、1日20~30個ほどの売れ行きで、売り上げの減少をカバーできない。「できる限り経費を削減しているが、1年近く同じような状況が続き、もう手の打ちようがない」と語る。
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2021年04月10日

ダイダイ地域の顔に 「サワー」PR実行委も発足 静岡県熱海市
ダイダイで熱海を元気に――。全国有数のダイダイ産地・静岡県熱海市では生産者と食品卸、飲食店などが一体となって、地域活性化とダイダイのブランド化に注力する。その一環として熱海市の飲食店関連団体は9日、「熱海だいだい実行委員会」を発足した。ダイダイの活用によって地域経済を循環させ、縮小するダイダイの生産基盤維持にもつなげたい考えだ。
委員会は熱海料飲連合会、熱海社交業組合、県飲食業生活衛生同業組合熱海支部の3団体が立ち上げた。……
2021年04月10日
農政の新着記事
原発処理水 海洋放出を決定 風評被害を懸念 農業関係者落胆「極めて遺憾」
政府が13日、東京電力福島第1原子力発電所から出る放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出する方針を決めたことを受け、福島県の農業関係者からは、落胆と同時に風評被害を懸念する声が上がった。JA福島五連の菅野孝志会長は「福島県の第1次産業に携わる立場として極めて遺憾である」とコメントを発表した。
JA福島県青年連盟の手代木秀一前委員長は、「われわれの思いが反映されなくて残念」と無念さをにじませる。県青年連盟は、国が処理水の処分方法に関するパブリックコメントを募集していた際に、海洋放出などには反対し、トリチウム分離のための技術開発への支援を要望していた。
県内の農家が懸念しているのが農畜産物への風評被害だ。手代木前委員長は「これ以上の風評被害が起きないことを祈るが、いろいろな対策をしても風評被害は起こるのではないだろうか。県産農産物の競争力が落ちないか心配だ」と今後を懸念する。
菅野会長は「政府が説明する風評被害の発生抑止対策には具体性がない」と指摘した。
事故後10年経過した現在も農林水産物の風評被害が継続している実態から、「処理水の海洋放出は海産物ばかりでなく、県農林水産業の衰退が加速するとともに、風評被害が拡大することは確実」とした。
これに加えて「一層の研究開発により、放射能物質の完全除去ができる技術開発を進めるとともに、その間は貯蔵タンクの増設などにより本県農林水産物の安全・安心情報を守るよう切望する」と表明した。
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2021年04月14日
農地特区延長を可決 付帯決議「効果明らかに」 衆院特別委
衆院地方創生特別委員会は13日、兵庫県養父市で認めている一般企業による農地取得の特例措置の期限を2021年8月末から2年間延長する国家戦略特区法の改正案を、自民、公明、維新の各党の賛成多数で可決した。だが、特例の必要性や効果を巡る政府の説明には、与野党から疑問が続出。特例の効果を明らかにすることなどを政府に求める付帯決議を採択した。
特例の活用状況について農水省は、21年1月末時点で農地を取得した企業は6社、取得面積は計1・65ヘクタールだと説明。割合は経営面積全体の約5・5%で、残りは既に全国で解禁しているリース方式だとした。1社は19年3月から休業し、取得農地は農業利用されていないとも指摘した。
一方、内閣府は、……
次ページに付帯決議のポイント(表)があります。
2021年04月14日
法人議決権緩和 規制改革WG内でも異論 優良農地支配を懸念
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)が関心を示す農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、同WG委員の農業経営者から否定的な意見が相次いでいたことが議事録から分かった。要件を緩めた場合、農業関係者以外の資金力がある出資者に農地を支配されかねないなどの指摘が出た。身内からも異論が噴出したが、同会議は要件緩和を迫る姿勢を崩していない。
資金調達円滑に→経営権脅かす
こうした指摘が出ていたのは3月5日のWG会合。……
2021年04月11日
改正種苗法施行 海外持ち出し制限 初公表 シャインなど1975品種 農水省
農水省は9日、品種登録した品種(登録品種)の海外流出防止を目的とする改正種苗法の施行に伴い、海外への持ち出しを制限する1975品種を公表した。1日の施行後、公表は初めて。ブドウ「シャインマスカット」や北海道の米「ゆめぴりか」など、いずれも同法施行前に品種登録済み・出願中だった品種で、届け出に基づいて「国内限定」の利用条件を追加した。
野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「税関とも情報共有し、わが国の強みである新品種の流出を防ぎ、地域農業の活性化につなげていきたい」と述べた。
1日に施行された改正種苗法は、品種登録の際に、栽培地域を国内や特定の都道府県に限定する利用条件を付けられるようにした。「国内限定」の第1弾の品種は、農研機構や42道府県が開発した米や果実が中心だ。同省によると、国や県など公的機関が開発した登録品種の9割が「国内限定」となった。
米では青森県の「青天の霹靂」や新潟県の「新之助」、果実では石川県のブドウ「ルビーロマン」や福岡県のイチゴ「あまおう」、愛媛県のかんきつ「紅まどんな」などが含まれる。今後、民間の種苗会社の品種も含めて、順次追加する。
条件に反して海外に持ち出した場合、個人なら10年以下の懲役や1000万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科される。流通の差し止めや損害賠償といった民事上の措置も請求できる。
同省は、同法施行の経過措置として、施行前に品種登録済み・出願中だった品種も、「国内限定」などの利用条件を追加できるようにしていた。9月30日まで届け出を受け付ける。一方、今後、品種登録する品種は原則として「国内限定」とするよう開発者に促す。
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2021年04月10日
輸出基本方針を改正 マーケットイン型へ転換 政府
政府は9日、農林水産物・食品輸出促進法に基づく基本方針を改正した。昨年11月にまとめた、輸出拡大に向けた実行戦略を反映。相手国の需要に応じたマーケットイン型の輸出への転換を強調した。各国の需要や規制に対応した「輸出産地」の育成や、生産から輸出までの事業者を束ねた「品目団体」の組織化などを盛り込んだ。
輸出産地については、輸出事業計画の認定を通じ、産地ごとの目標や課題、対策を明確化する。……
2021年04月10日

産地交付金の「県枠」拡大 飼料用米支援広がる
農水省は2021年産から、米の転作を支援する「産地交付金」のうち、都道府県段階で助成内容を決める「県枠」の割合を拡大した。これを活用し、県単位で飼料用米など非主食用米への支援を拡充する動きが出ている。米主産県では前年からの作付け拡大や、直播(ちょくは)をはじめ生産性向上を要件にした助成などの検討が進む。
同交付金は転作助成金の「水田活用の直接支払交付金」のうち、県や地域協議会で使途を決めるもの。……
2021年04月09日

霞が関から新動画 農水省職員・人気ユーチューバー復活
動画投稿サイト・ユーチューブの農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で一番人気のコンビ「タガヤセキュウシュウ」が再始動する。九州農政局の若手2人で結成し、ばずまふ最多の再生回数を誇るが、1人が東京の本省に異動となり、離れ離れに。だが4月から“相方”も東京に異動。8日、活動再開を報告する動画を投稿した。
コンビは九州農政局で同僚だった野田広宣さん(27)と白石優生さん(24)が2020年1月に結成。同年3月、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ花きの消費拡大を呼び掛ける動画を投稿すると、時間がたつに連れて2人が花に埋もれていく演出が話題を呼んだ。再生回数は88万回で、ばずまふの400本超の動画の中で最も多い(21年4月現在)。
この続きは日本農業新聞の紙面またはデータベースでご覧ください。
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2021年04月09日
野菜需給調整 補填引き上げ 平均価格の7割 農家負担は軽減
農水省は2021年度、主要野菜の緊急需給調整事業を大幅に見直した。市場価格が大幅に下落した場合、出荷調整に取り組む生産者への補填(ほてん)水準を市場平均価格の7割に引き上げた。国と折半で造成してきた資金の負担割合も2割に軽減。生産者に手厚い内容で活用しやすくし、野菜相場の安定につなげる。
事業はダイコン、ニンジン、キャベツ、レタス、ハクサイ、タマネギの6品目が対象。……
2021年04月08日

米の支出額11%減少 過去20年で最低水準 2月家計調査
米の消費が家庭向けでも苦戦している。総務省の家計調査によると2月の支出額は前年比11%減となり過去20年で最低水準だった。昨年のような買いだめ特需も見られず、従来の消費減に歯止めがかからない。一方、パックご飯など手軽に食べられる商品は好調で、簡便さが米消費挽回の鍵になりそうだ。
簡便「パック飯」好調
2月の1世帯当たり(2人以上世帯=平均2・94人)の米の支出額は1546円で、米の買いだめが発生した前年同月から大きく落ち込んだ。20年産の出回りが本格化した10月以降で見ても、緊急事態宣言後の巣ごもり需要が一時的に高まった1月を除き、前年割れが続く。10~2月までの累計では前年同期6%減となった。
米は外食店などの業務筋に加え、家庭用でも消費減を食い止められていない。東京都内の米穀店は「巣ごもり当初は炊飯の手間をいとわなかった人も、長期化するとより手軽な食品に移り従来の米の消費減傾向に戻った」と分析する。他の首都圏の米穀店も「巣ごもりと言われているが、あまり購入量は増えていない」と指摘する。
価格下落も支出減に影響した。業者間で取引する市中価格は2月以降下げ、店頭でも安売りが目立つ。だが消費者の購入数量は増えず、2月は支出額、数量共に過去20年で最低だった。
主食への支出は手軽に食べられる商品に移っている。麺類などの消費は好調。米でも弁当などを含む「主食的調理食品」の2月の支出額は4849円で5%増。パックご飯や冷凍米飯を含む「他の主食的調理食品」は1270円で3%増、10~2月の累計でも前年同期比8%増となる。
大手卸は「パックご飯を常時保存する家庭も増え、精米商品からの置き換えが起きている。高齢世帯の利用も増えている」と話す。
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2021年04月07日
内閣支持率続落40% 農政「評価せず」拡大 本紙モニター調査
日本農業新聞が3月に行った農政モニター調査で、菅義偉内閣の支持率が40%となった。発足直後の昨年9月に比べて18ポイント急落した12月の前回調査から、さらに4ポイント下落。不支持率は59%で、同3ポイント増えた。菅内閣の農業政策を「評価しない」人が同11ポイント増えて56%となり、支持率にも影響したとみられる。
他の報道機関の調査でも、菅内閣の支持率は発足当初の6、7割台から下落し、直近は4割前後で推移するものが多い。……
2021年04月06日