[未来人材] 21歳。大学で農学び担い手めざす決意 直売通して地域と絆 横浜市 唐戸柚香さん

自宅敷地内の無人直売所に野菜を並べる唐戸さん(横浜市で)

 横浜市の大学生の唐戸柚香さん(21)は、自宅敷地内の直売小屋に80種類を超す多様な農産物を並べ、常連客が付くほどの人気を得ている。唐戸家は1ヘクタールでトマトやキュウリ、小松菜を市場に出荷するが、これまで地域との交流は薄かった。直売で自分たちと地域とのつながりが増えただけでなく、客同士での交流も生まれた。唐戸さんは「新鮮な物を食べ、自然に囲まれている生活が好き。自分がこの場所で農業を続けることで、地域にも良い影響を与えたい」と話す。

 唐戸さんは、東京農業大学に通う現役大学生。代々続く農家の次女で、農業が身近な環境で育った。「家は長女が継ぐもの」と育てられたため就農するつもりはなかったが「できれば農業や食に関する仕事がしたい」と進学した。

 農業実習をする部活にも入った。農や食について学ぶうちに就農への思いが強くなった。「都会の中に残った農地でしか果たせない役割がきっとある」。部活で訪れた、長野県の桃農家の言葉が背中を押した。

 姉が農業以外の道に進んだこともあり、就農を決意。家族からは「ここで農業を続けなくてもいい」と反対されたが、熱意を伝え続け、家を継ぐことが決まった。

 直売小屋は、新型コロナウイルス禍での需要の高まりを受けて昨年の夏に設置。「毎回常連客が楽しみに来てくれる場所をつくれたことが本当にうれしい」と話す。

 大学で学んだ知識を生かして、若手農家から依頼を受けたパンフレット作りなどにも取り組む。

 1ヘクタールの畑は柵もなく開かれており、「子どもが街の中で農業や自然を学べる貴重な場所」と胸を張る。しかし柵がないことが裏目となり、ごみを捨てられたこともあるという。

 唐戸さんは直売で地域との関係を深めた経験からも「街の中で農業を続けるためには、地域とのつながりや関係性を大事にしていかないと難しいし、やる意味もなくなってしまう」と話す。

 卒業後は農業大学校への進学を考えている。経営や技術を学び、農家同士のつながりをつくって就農する。「これからここで育っていく人にも、自然や農業について学べる場所を残していきたい」と意気込みを見せる。
 

農のひととき


 祖父、祖母と一緒に農作業をしていて、午前10時と午後3時のおやつの時間に祖母お手製のあられを食べるのが楽しみ。あられは正月の前につく餅の端を乾燥させたものを、揚げたり焼いたりして作る。

 味はしょうゆと塩、たまにカレー味もある。芝生や木の根っこに座って食べている。
 

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