鹿・イノシシ 生息域40年で倍 放棄地温床に 捕獲追い付かず

 2020年度に、ニホンジカとイノシシの生息範囲が、調査を始めた1978年度と比べて2倍前後に広がったことが環境省の調べで分かった。積雪量の減少や耕作放棄地の拡大などが影響した。北海道を除く推定個体数(2019年度)は、ニホンジカが189万頭、イノシシが80万頭。いずれも減少傾向だが、環境省と農水省が定める目標頭数には至っていない。

 生息範囲は、捕獲位置情報と都道府県への聞き取りなどに基づいて推定。全国を25平方キロ単位に分けて生息地点を特定し、範囲を割り出した。

 生息地点は、ニホンジカが1万1563地点、イノシシは9641地点に上った。調査を始めた1978年度から、ニホンジカは2・7倍、イノシシは1・9倍に拡大した。前回調査の2014年度と比べても、それぞれ1割程度増えた。

 生息範囲の拡大が目立つ地域は、ニホンジカが東北、北陸、中国地方。イノシシは東北、北陸、関東地方だった。環境省は拡大の背景に、積雪量が減って越冬可能な範囲が広がったことや、耕作放棄地が拡大しすみかや餌場が増えたことを挙げる。

 個体数は、都府県の捕獲数などに基づいて推計した。ニホンジカは14年度の246万頭がピークで、その後は減少傾向。ただ、23年度までに104万頭とする両省の目標には届いておらず、19年度で85万頭上回る。北海道は都府県と異なる手法で独自に推計しており、67万頭だった。

 イノシシも、14年度の120万頭をピークに減少。19年度の頭数は、23年度に目標とする50万頭を30万頭上回った。環境省は、達成に向けて各地で捕獲や狩猟者確保が進んでいるが「繁殖のスピードに追い付かず、目標との差が埋まらない」(鳥獣保護管理室)とみる。
 

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