再エネ促進へ転用規制緩和 荒廃農地に限定 農水省

 農水省は、農村地域での再生可能エネルギー(再エネ)の積極的な導入に向け、荒廃農地の転用規制を緩和する。温暖化防止で2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする政府の「脱炭素社会」目標を受け、農業分野も対応が求められていた。優良農地の確保と両立するため、規制緩和は荒廃農地に限定。無秩序な転用を防ぐ措置も講じる。
 

優良農地確保と両立


 全国の耕地面積は19年で440万ヘクタール。これとは別に、耕作されておらず、通常の農作業では栽培が不可能とみられる「荒廃農地」が28・4万ヘクタールある。このうち9・1万ヘクタールは整地や区画整理などで再生利用が可能だが、19・2万ヘクタールは森林化などで再生利用が難しいとみられている。

 太陽光発電パネルの下で農作物を栽培する「営農型太陽光発電」は、荒廃農地を再生利用する場合に限り、パネル下の農作物の収量要件を年度内に撤廃する。パネル支柱部分の農地の一時転用許可が必要で、地域の平均単収の8割以上の確保が要件だった。今後は、パネル下の農地が適正・効率的に利用されているかどうかで判断する。年度内に関連通知を見直す。

 「農山漁村再生可能エネルギー法」に基づく転用の要件も緩和する。同法では、農地法で原則的に転用できない「第1種農地」でも、再生利用可能な荒廃農地は①生産条件が不利②相当期間不耕作③今後、耕作の見込みがない――を要件に特例で転用を認めている。これを「今後、耕作の見込みがない」だけにする。

 無秩序な転用を防ぐため、「今後、耕作の見込みがない」ことの基準は明確化する。農業委員会や農地中間管理機構(農地集積バンク)のあっせん、「人・農地プラン」の取り組みを経ても受け手が見つからない場合を想定。同法の告示などを6月をめどに見直す。農地の集団化に支障を与えない場合に転用を認めるとの規定は維持し、虫食い状態の転用も防ぐ。

 農業委員会が再生利用困難と判断した荒廃農地は、非農地への地目変更を迅速に進め、転用規制の対象外にする。所有者ではなく、市町村が変更を申し出る仕組みの活用を呼び掛ける通知を出す。非農地でも農用地区域内では転用できないため、同区域から除外する場合のガイドラインも年度内に示し、手続きの円滑化につなげる。

 同省は50年の再エネ発電電力量の5割を農山漁村地域で発電するとの目標を検討していたが、政府内で見直しを進めているエネルギー基本計画の策定を待って検討することとした。
 

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