[未来人材プラス] 地域・自然と歩む 夢の放牧ライフ実現 富山県高岡市 青沼光さん(34)

地域の理解を得ることや関わり方を大切にする青沼さん。小矢部川のほとりの牧場は散歩コースに使われ「放牧の様子が癒やしになっている」という(富山県高岡市で)

次世代育成 見据える


 都市近郊型で酪農の価値や役割を伝える青沼光さん(34)。離農予定だった富山県高岡市の牧場を受け継ぎ、家族経営の「clover farm」を立ち上げた。限られた開業資金で自ら牛舎を修繕し、飼養頭数を拡大。人と地域との関わりを大切に、「酪農後継者を育てる仕組みを整えていきたい」と将来を見据える。

 広島市出身。農家ではない家庭に育った。「牛を放牧して見ていることで生活できるのか」。そんな偏見から酪農を知ったのは中学生の時だ。

 職住隣接、家で過ごす時間を大事にできる、畜主の考え方次第でいかようにも牛が飼える──。テレビに映る放牧風景に憧れ、親元を離れ西条農業高校畜産科に入学。そこからは畜産にどっぷり。理想の牧場経営への思いを強めて新潟大学農学部に進んだ。

 長野県の牧場では後継者候補として働いたが、2年で挫折。富山県の牧場に移り4年ほど経験を積んだ。妻の佳奈さん(39)との結婚、子どもの誕生を経て、自分の牧場を持ちたい思いが再燃。第三者継承ができる離農予定の牧場を探していたところ、異業種交流で知り合った県内の米農家の紹介で見つかった。

 牧場開設は2015年。青年等就農資金3700万円で資産を買い取り、引き継いだ7頭から始めた。JAを窓口に指定生乳生産者団体にも出荷するようになった。資金は潤沢とは言えなかったが、安価に導入できる廃用牛を活用。もう一度妊娠させたり、肉用に回したりして収益を確保し、3年目には現在の経産牛40頭規模にした。

 県内に2カ所ある酪農教育ファーム認定牧場の一つにもなった。培った知識を生かして酪農が地域でどう貢献しているのかを、佳奈さんと伝える。「新規参入した時に苦しいと思ったことを少しでも楽にして、次の世代に渡したい」。酪農振興への強い責任を感じている。

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