中古ノリ網 鳥獣対策でリサイクル 田畑への侵入防止に農家が活用 兵庫のJA直売所でヒット

JA直売所で売れ行きが好調な漁業用のノリ網。鳥獣害対策に使える安価な資材として農家から人気だ(兵庫県三田市で)

 漁業用の網がJA直売所でヒット──。兵庫県三田市にあるJA兵庫六甲の直売所「パスカルさんだ一番館」では、ノリの養殖に使う「ノリ網」が農家から人気を集めている。この網は漁業現場で使い古されて本来なら処分される中古品だ。農家からは、鳥獣害対策に使える低コストな資材として人気を集めている。JA直売所を舞台に農業界と漁業界が結び付いて、資源の有効利用に向けた好循環が生まれている。(北坂公紀)
 
 同直売所では2016年、兵庫県漁業協同組合連合会(JF兵庫漁連)が直営の鮮魚店をオープン。一つの直売所のなかに“農協系”と“漁協系”が同居していることが特徴だ。

 ノリ網を販売するのは、JF兵庫漁連だ。農家の利用が多いJA直売所内に出店する立地条件に着目した。廃棄せずに農業現場で有効活用できないかと考えて、中古のノリ網の販売に乗り出した。

 ノリ網の網目は、およそ15センチ四方。田畑の周囲に張って、鹿やイノシシの侵入を防ぐことに使われる。直売所での販売に当たっては、塩分が残っていると鳥獣を引き寄せてしまうため、念入りに洗浄している他、破れた箇所の修繕も行っている。

 価格は1枚(幅1・6メートル、長さ20メートル)720円と安価だ。野生鳥獣による農作物被害が増える秋ごろには、月40枚ほど売れるという。JF兵庫漁連で同直売所を担当する荒巻伸一さん(44)は「直売所が立地している地域は、農作物で鳥獣被害が多い。リピーターや問い合わせが相次ぐなど、ノリ網は農家から好評だ」と手応えを見せる。

 JF兵庫漁連によると、兵庫県のノリの生産量は全国2位。瀬戸内海沿岸で生産が盛んだ。生産の鍵を握るのがノリ網で、種を付着させた網を海に設置してノリを育てる。ノリ網は平均2、3年で更新され、使い終わった網は廃棄されている。

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