米産地品種900銘柄迫る 13年連続で増加 多収良食味にシフト

 2021年産の水稲うるち玄米の産地品種銘柄数は、前年から24増えて893となった。13年連続で増加し、900に迫る。高価格帯を狙った極良食味米の新規設定は少なく、業務用に向く「にじのきらめき」など良食味と多収性を兼ね備えた品種の設定が目立つ。多様化するニーズに対応し、安定生産を目指す産地の戦略が背景にある。

 産地品種銘柄は「産地+品種」で表す銘柄。農産物検査で「〇〇産コシヒカリ」などと証明を受けるには、各産地が申請し、農水省の設定が必要になる。

 同省によると21年産は29銘柄が新しく設定され、廃止の5銘柄を引いて24増えた。高価格帯を狙った極良食味品種の新規設定は、限定的だった。近年は宮城「だて正夢」、新潟「新之助」、福井「いちほまれ」など各県オリジナル品種が相次いで設定されてきたが、21年産は秋田「サキホコレ」、京都「北陸246号(京式部)」など一部だった。

 一方で、目立つのが良食味の多収性品種の設定だ。業務用ニーズの高い値頃な価格帯で販売でき、生産者の手取りも確保できる。農研機構育成の「にじのきらめき」は茨城、群馬、千葉、新潟、滋賀、佐賀の6県で設定され7県に拡大。申請した茨城県JA北つくばは「コシヒカリよりも多収で収益性が高い。良食味で外食のバイヤーからも期待されている」と話す。高温耐性、イネ縞葉枯(しまはがれ)病抵抗性の特徴を持ち安定生産が見込まれることもあり、21年産の管内面積は300ヘクタール以上に拡大する見通し。

 同じく良食味で多収の「つきあかり」は秋田県が加わり14県となった。他にも「ほしじるし」「とよめき」「恋初めし」など農研機構や民間育成の多収性品種が設定された。

 安定生産を目的にした品種の多角化も進む。高温耐性品種の「にこまる」は富山、福井で設定され27府県に拡大した。夏場の高温による品質低下が背景にある。「にこまる」を申請した生産者は「面積拡大で、既存の品種だけでは収穫作業が集中し、刈り遅れや品質低下の可能性がある」として、品種導入が作期分散にもつながると指摘する。
 

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