国産牛肉 膨らむ在庫 5年で最多水準 年末年始需要鈍く 先行きも不透明

 国産牛肉の在庫量が過去5年の最多水準で推移している。4月に公表された2月末の推定在庫量は1万2550トンで前年比22%増。新型コロナウイルス禍で需要期の年末年始の荷動きが鈍ったことなどが響いたとみられる。国産相場は堅調に推移するが、緊急事態宣言による販売環境の悪化が予想される。在庫が下押し要因になりかねない状況だ。

 

 農畜産業振興機構によると、国産品の推定在庫量はコロナ禍の影響が大きかった2020年3~5月に前年比2、3割増と大きく膨らみ、ほぼ年間を通じて前年を上回って推移していた。12月に約1年ぶりに前年を下回ったものの、年明け以降も多い状況が続いている。

 輸入品の2月末の推定在庫量は前年比横ばいの約11万トンだった。

 流通業者の在庫保管料などを支援する国の和牛肉保管在庫支援緊急対策事業を活用する動きもあり、和牛を中心に在庫が多くなったとみられる。

 同事業では販売促進計画に基づいて和牛肉を販売した場合、20年度は1キロ1000円(部分肉ベース)、21年度以降は同850円の奨励金を支払う。「金額が切り替わる前の3月にかなりの在庫が解消した」(大手食肉メーカー)という。

 一方、感染再拡大を受けた3度目の緊急事態宣言の発令で、和牛の販売環境には不透明感が漂っている。「外食関係の見通しが立たず、仕入れにくい状況。在庫が再び増えている」(東京都内の食肉卸)。

 事業の活用や好調な輸出向けなどから高値で推移してきた和牛相場も、今月下旬に入りじわり下げている。東京食肉市場の19~23日の加重平均価格(A5、去勢)は1キロ2756円と前週比3%安。市場関係者は「大型連休向けの仕入れがほぼ終わっていることに加え、大消費地が緊急事態宣言の対象となった影響が大きい」と指摘する。

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