「智(ち)」と「愚」の分かれ目は本を読むか読まないかにある

 「智(ち)」と「愚」の分かれ目は本を読むか読まないかにある、と中国明時代の儒学者呂新吾は言った▼自己啓発の書『呻(しん)吟(ぎん)語』にある。人間はどうあるべきか、どう生きるべきかの根源的な問題をさまざまな角度から解き明かした。混迷した時代だからこそ、心に染み入る一冊である▼絶対的な統治を手ほどきする『君主論』(マキャベリ)は、菅首相を理解するのに役立つ。この本と首相の発言を照らし合わすと、雪国育ちでたたき上げのイメージからはうかがい知れない、権力者の素が浮かぶ。浜矩子さんの近著『“スカノミクス”に蝕(むしば)まれる日本経済』(青春出版社)が、道案内する▼きょうは図書館記念日。1950年に図書館法が公布された日にちなむ。無料で全ての人に開放された。全国に約3300ある公共図書館の蔵書は、約4億5000冊。ただ眠らせておくのは、もったいない。書架に並んだ背表紙に目を走らせれば、手招きする一冊にきっと巡り合える。国立国会図書館のカウンター壁面に刻まれている言葉が、惰眠を打ち砕く。〈真理がわれらを自由にする〉▼増え続ける若者の読書離れに、ほくそ笑む為政者がいるかもしれない。「意のままになる」と。愚にも付かぬ話と笑えますか。

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