こどもの日 地域みんなで見守ろう

 新型コロナウイルス禍の中で2度目のこどもの日を迎えた。休校や緊急事態宣言、学校を含め新しい生活様式の導入などが子どもに負担となり、心身に影響を与えている。地域みんなで見守り、異変に気付き、支援に結び付ける仕組みをつくりたい。

 新型コロナ禍でストレスを感じた子どもは9割近くに上り、うち強度のストレスを抱えているのは3割強を占める――。大阪府立大学の山野則子教授らの昨年秋ごろの調査で、こうした実態が分かった。多くの小学校高学年(9~12歳)が感じている不安は、授業の遅れや生活リズムの乱れ。保護者らが家にいない時の居場所や昼食などの食事に困っている子どももいた。また、感染が深刻な地域では、教育委員会への貧困関係の相談が急増していた。

 国立成育医療研究センターの2月の調査でも気掛かりな結果が示された。小学4~6年生の15%、中学生の24%、高校生の30%に中等度以上のうつ症状が確認された。自殺や自傷行為について考えた子どもも少なくなかった。

 一方、コロナ禍で公的な見守りや支援にも支障が出ている。学校や、児童相談所といった支援機関は、家庭訪問などの活動がしにくくなった。

 山野教授は、子ども食堂など地域に密着した取り組みのネットワーク化や、子どものリスクを発見する仕組みづくりなどを提起している。

 子ども食堂は、無料や低額で食事を提供し、孤食の解消や、居場所や交流の場としての役割を果たす。コロナ禍で食堂の開催は難しくても、子どもとのつながりの維持を大切にし、弁当や食材の配布など多くが活動を続けている。文通をしているところもある。前述の調査結果からは、同食堂の重要性は一層高まっていることが分かる。

 実際、NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の調査では、同食堂は増え続け、20年には全国で5000カ所を超えた。コロナ禍中の同年2月以降でも186カ所の新設を確認した。

 子どもを地域で見守る仕組みづくりも進む。埼玉県伊奈町は、児童や高齢者、障害者らや家族が安心して生活できるよう、事業者・団体と協定を結び、配達や訪問など日常業務の中で見守ってもらう事業を2月に開始。異変に気付いたら町など各相談窓口に情報提供し、支援に結び付ける。JAさいたまを含め、協定締結は約140になった。

 自分の子や孫と同じように、地域の子どもを見守りたい。JAや青年部、女性部などが各地で、子ども食堂の運営や食材提供、見守り活動などを行っている。他の団体との連携を含め、取り組みを強化し、誰もが安心して暮らせる温かい地域を目指そう。

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