冬でもスイカを 滝沢市 「滝沢西瓜缶詰」


同市でスイカを生産する駿河俊也さんが「夏以外の季節でもスイカを味わってほしい」「特産品で面白い商品を作りたい」という思いから企画・開発した。加工するには難しい食材のスイカを4年かけて商品化。スイカ本来の甘さや食感、風味にこだわった。
ワインとレモンシロップに漬け込んだスイカをひと口かめば果汁と甘味があふれ、シャリっとした食感を楽しめる。フルーツポンチやヨーグルトなどもお薦め。
駿河さんは「寒い冬に味わう『滝沢すいか』を、ぜひ一度ご賞味ください」と笑顔で話す。
販売先=ビッグルーフ滝沢、チャグマルシェ滝沢(ECサイト)など
濃厚とうもろこしスープ 奥州市・伊藤卓哉さん


2020年からトウモロコシの栽培を開始。生産過程でできる規格外品を有効活用して、キッチンカーでコーンスープとして販売したところ好評を博した。その後、地元ダイニングカフェ「とかげのしっぽ」の監修によるレシピでリニューアル。全3種のスープは砂糖を一切使用せず、トウモロコシの自然の甘さを生かした濃厚な仕上がりだ。
伊藤さんは「作る人と食べる人の思いをつなぎ、みんなを笑顔にしたい」と話す。
販売先=上小田代ネットショップ、江刺ふるさと市場、らら・いわて盛岡店など
からだよろこぶ「発芽玄米」 プロ農夢花巻


使用されているヒエや黒米などの雑穀を供給している、(有)鍋割川ユニオンの及川雄太さんは「連作障害の回避と適期の収穫を心がけて栽培している。商品はパウチで手軽に食べやすく、雑穀の消費拡大にもつながる」と話す。
販売先=「母ちゃんハウスだぁすこ」「すぎの樹」など
天然にがりだけで豆腐 アグリ平泉


だいず工房では、添加物を使用せず、天然にがりだけで豆腐を製造。木綿豆腐や寄せ豆腐、油揚げや厚揚げなどを製造している。アグリ平泉では、たんぱく質の含有量が多く固まりやすい「リュウホウ」や豆腐にするとおいしい「ミヤギシロメ」を生産している。
アグリ平泉の石川文士良代表理事は「大豆が加工され、地元を中心に消費されることがうれしい。国産大豆の生産と消費に今後も関わっていきたい」と話す。
販売先=JAファーマーズいわて平泉、道の駅平泉など
ぜいたくリンゴパイ 盛岡市「松本りんご園」


定番商品の「3種のリンゴパイ」は、旬に合わせ3品種を使用し、甘さや酸味、食感といった品種ごとの特徴をバランスよく生かすことにこだわった、リンゴをぜいたくに味わえる一品。スタッフ考案の見た目もかわいらしい丸い形と、リンゴに添えられた小さな葉形のパイも印象的だ。
元々、家族が営むカフェ「micafe(みかふぇ)」での提供がメインだったが「旬の果実を菓子で、よりたくさんの人に味わってほしい」と、5年前に工房を設立。「ニーズを捉えたリンゴ生産に励み、絶やさずお菓子を作っていきたい」と笑顔を見せる。
販売先=「kumarie(くまりえ)」、産直「花山野」など
リピーター多い干し芋 奥州市 橋本勉さん


2018年にJA岩手ふるさとの農業マイスター制度を利用し、専業農家に転身。21年にサツマイモの栽培を始め、甘さを引き出すために、圃場(ほじょう)管理を徹底し、サブソイラーで土壌の排水性や通気性を向上させ線虫対策を講じた結果、3トンもの収穫があった。
販路に悩んでいたところ、知人の勧めで石焼き芋の販売を決意。自宅前で販売を始めたところ近隣住民から好評で、翌年から干し芋販売を開始した。お年寄りから赤ちゃんまで食べられるとリピーターが多い商品。橋本さんのモットーは「品質第一・安い・長く地元に愛される」ことで、衛生管理を徹底し加工品製造・販売に努めている。
販売先=JA岩手ふるさと産直来夢くん、産直センター菜旬館など
こだわりの梅干し 住田町「及川農園」


及川農園は1949年創業。約2カ月かけて天日干し・漬け込みなどの工程を経て仕上げる昔ながらの味を、社長の及川詔夫さん(66)は「最大のこだわり」と語り、先代の両親から受け継いだ技術と味を現在も守り続けている。
原料の梅とシソは、周辺の市町村で栽培している物を使用。生産・出荷する梅干しの評価は高く、全日空のファーストクラスの機内食にも採用されている他、近年は梅干しに加え、地元酒造会社とタッグを組み、梅酒の商品開発にも力を入れている。
及川社長は「味はどこにも負けない。真っ向勝負できる品質のものを作り続けたい」と前を向く。
販売先=JA全農が運営する通販サイト「JAタウン」