農水省、吉本興業と連携「ニッポンフードシフト」で笑顔も大豊作
動画50~60本配信
「稲からメタンが発生してるんですね。稲を梅干しにすれば大丈夫」「中干しや。稲ができてから必要や。梅干しは」
M―1チャンピオンの銀シャリは、地球温暖化をテーマにした漫才の動画を制作。メンバーの橋本直さん、鰻和弘さんが農研機構を訪ね、メタンガスの発生源や抑制技術の研究状況などを取材し漫才を作った。同日、同省で開かれたキックオフイベントで紹介し、橋本さんは「近年まれにみる良い出来」と胸を張った。
同社所属の芸人が今後、来年3月までに50~60本の動画を制作し、「ニッポンフードシフト」公式サイトなどで公開する。生産現場に出向き農家に話を聞いたり、食料自給率を高めるための課題を学んだりする内容の動画も予定している。
COWCOW(カウカウ)の多田健二さんは「ヨーグルトも牛乳も毎朝いただいている。皆さんにも食べていただきたい」と強調。「ミルクボーイの分まで頑張ります」とM―1チャンピオンの後輩芸人に対抗意識を燃やしながら、乳製品のPRに意欲を示した。
イベントに出席した金子原二郎農相は「次世代を担う若者に、農林漁業者らの努力を分かりやすく伝えてほしい」と期待を寄せた。
22組37人が集結
会場には22組37人のお笑い芸人が集結。「食の未来のために何をすれば盛り上がるか」を答えるコーナーでは、サバンナの八木真澄さんが「おいしくいただいた後にギャグをするのはどうでしょう」と提案するなど、笑いを交えた回答が次々と出てきた。
そんな中、お笑いコンビ「フルーツポンチ」の亘健太郎さんは「芸人が食べ物や飲食店を紹介するブログを開設する」と回答。あまりの真面目ぶりに、司会のチュートリアルの徳井義実さんが「農水省の方ですか」と尋ね、会場にいた同省職員らを笑わせた。
同省は、国産農畜産物を積極的に選ぶよう国民に広く呼び掛ける「ニッポンフードシフト」を浸透させるには、若者への発信を強化する必要があると判断。食料生産を担う農家の努力や工夫、食卓に食べ物が届くまでの背景を分かりやすく伝えるため、お笑い芸人が数多く所属する吉本興業と連携することにした。