泡立つ緑茶酒で乾杯を 農家が商品化 静岡県掛川市・リキュール特区第1弾
200種類試作の末に完成
市は2019年、市内の飲食店などで乾杯する際のドリンクに緑茶や緑茶割りを推奨する「緑茶で乾杯条例」を施行した。
同園の松下芳春代表は、掛川茶でシャンパン風の乾杯酒を作る「CHANPANプロジェクト」を立ち上げた。県の事業や経済産業省の補助金を活用し、茶の販売業者などと連携。酒類製造免許も取得した。
これまで茶は酒、炭酸と相性が悪いとされてきた。緑茶に合う酒を200種類以上試すなど試行錯誤を繰り返し、開発に4年かけた。市は21年、緑茶を原料とするリキュール製造の特区認定を受けている。今回が認定後初の商品となる。
茶葉は、有機栽培したものを100%使っている。味や香りを引き出すため、イタリア製の圧力タンクなど最新設備をそろえ、細やかな泡立ちのリキュールを目指した。
商品は3種類。「掛川深蒸し茶リキュール」「掛川和紅茶リキュール」が375ミリリットル瓶入り2970円。より高品質な茶葉を使った「掛川茶PREMIUMリキュール」が750ミリリットル瓶入り1万5000円。アルコール度数はいずれも8%。同園のカフェで販売する。輸出も視野に入れる。
松下代表は「華やかで掛川の茶を味わえる自慢の逸品。お祝いの席などで飲んでほしい」と話す。市お茶振興課は「この商品が茶の新たな付加価値を創出し、緑茶の消費拡大や地域、茶業界の活性化につながってほしい」と期待する。