西日本で取水制限 ダム貯水量低下、10日間は少雨
国交省によると28日時点、6水系7河川(国管理河川)で取水制限を行う。取水制限をする水系は、日野川、斐伊川、吉野川、重信川、物部川、嘉瀬川。
中国
鳥取県は5月26日から日野川水系で一律5%の取水制限を実施。島根県は6月24日から、斐伊川水系に水を送る尾原ダムの貯水率が低下しているとして、ダムの下流を流れる水量を30%制限した。
今後、取水制限を予定する県もある。岡山県や関係自治体などでつくる旭川水系水利用協議会は、旭川のダムの水位が低下しているとして7月4日から取水制限を始める。農業用水は30%、上水道などは10%制限する。
山口県は、佐波川水系に水を送る島地川ダムと佐波川ダムの合計貯水率が50%を下回った翌日から取水制限する。28日午前9時時点で両ダムの合計貯水率は53%。国土交通省中国地方整備局は「このまま水位が低下すれば今週中にも制限を発動する」と見込む。
四国
四国地方も水不足に対する不安感が募る。高知県の早明浦ダムの貯水率は28日午前0時時点で34・9%と平年より50ポイント以上少ない。早ければ今週中にも香川・徳島の両用水への供給量を50%削減する見通しだ。
香川県丸亀市で米を栽培する農事組合法人「あぐりらんど飯山」の村山英臣代表は「ため池があるから今のところは問題ない。ただ、ダムの取水制限も強まる方向で、今後どうなるかが怖い」と不安を募らせる。
徳島県阿波市のJAあわ市管内では、畝に水をためて特産のナスを育てる独特の栽培方法があるが、今年は土壌乾燥が強いためナス農家は、水をためるタイミングを半月から1カ月早めている。農家も、「このまま雨が降らなければナスや稲作に影響が出るかもしれない」と気にかけている。