農高生“博士”奮闘 伐採竹で生ごみ分解 熊本県立菊池農高
段ボールコンポストとは、生ごみをピートモスなどの基材と一緒に箱の中に入れ、微生物の力を借りて分解、発酵させて堆肥化するもの。
同科は2021年から、里山の荒廃や放置竹林問題の解決に向けて、竹林の整備や竹を地域資源として活用することに取り組む。
その一環として今年5月から、校内の竹林を整備した時に出る竹チップを活用した段ボールコンポストの実験を始めた。
竹チップを使った発酵肥料の製造実験に携わる生徒から「段ボールコンポストの基材として活用できないか」という意見が出たことがきっかけだ。
年間150キロ処理
生徒の試算では、1箱で年間約150キロの生ごみを分解できる。菊池市の全2万世帯が導入すると、年間3000トンの生ごみの減量につながる。市内から排出される生ごみ5000トンの半分以上を削減できることになる。
さらにモウソウチク2万5000本分の竹チップを使うため、竹林整備にもつながる。
農業科3年の坂本京祐さん(17)は「計算通りにはいかないと思うが、予想以上に生ごみを処理できることに驚いた。段ボールと竹チップだけで多くの問題が解決できる可能性があり、今後が楽しみ」と目を輝かせる。(熊本・菊池)