ビールかすで大幅増収 黒大豆 最大5割 岡山市の若手農家グループ

ビールかすを土づくりに活用した栽培で、黒大豆の収量増加を確かめた永井さん(中)とアグリドリームSETOのメンバー(岡山市で)

 岡山市の若手農業者クラブ「アグリドリームSETO」は、黒大豆の栽培でビールかすを施すと、慣行栽培に比べて10アール当たりの収量が最大で5割増えることを確かめた。化学肥料との組み合わせで生育が早まり、大粒の割合も増えた。土壌の養分バランスの改善で課題だった連作障害の対策にも期待する。
 
 同クラブは同市東区瀬戸町の若手11人で構成する。地元のキリンビール岡山工場から出るビールかすを土づくりに活用し、2020年産に市の助成を受けて試験した。

 化学肥料を慣行栽培通りに施し、従来の堆肥の代わりに、①無施用区 ②ビールかすを10アール当たり1トン区③同3トン区── で、1区画当たり5アールに「丹波黒」を作付けした。ビールかすの成分分析で窒素含有量が多いと分かり、3トン区は化学肥料の窒素成分を抑えた。

 ビールかすはビール工場で水分を60%以下にし、糖蜜を加えた。20年6月上旬に施用し、下旬に種まきした。同クラブの5、6人で栽培管理し、12月上旬に収穫した。

 収量は、風乾後に干し、10アール収量、総さや数、着粒数、粒の重さなどを調べた。くず品を除いた10アール収量(精子実重)は、無施用区の137キロに比べ1トン区が201キロ(47%増)、3トン区が180キロ(32%増)。精子実重に占める1粒11ミリ以上の大粒割合は無施用区で6%、1トン区で15%、3トン区で9%、100粒当たり重量も1トン区、3トン区、無施用区の順で重かった。

 同町は、水稲からの品目転換で黒大豆の栽培が盛んだが、連作障害が課題。2ヘクタールで栽培する永井孝俊さん(41)は「木が小さく、さや付きが悪くなるなど生育不良で収量が落ち込む」と説明する。

 試験の結果から、永井さんは「ビールかすと化学肥料で、土の養分バランスが良くなる」と、連作障害にも効果があると見込む。今後、多品目での利用や、黒大豆のブランド化を検討する。

 岡山工場では、1カ月に100トンのビールかすが出る。全量を飼料化し、畜産農家に渡している。

 同工場の総務広報担当は「全国に9カ所ある工場のうち、土づくりへの利用は岡山工場が初めて。利用の間口が広がる」と期待する。

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