[意見広告]農業・農村地域のため、エネルギーの自給戦略を

気候危機と資材価格高騰が農業経営を圧迫するなかで

 近年の気温上昇や台風の強大化など、気候変動による気象の変化が、農業生産に深刻な影響をもたらすようになってきました。「温暖化の時代は終わり地球沸騰の時代が到来した」(2023年7月グテーレス国連事務総長)のです。「気候危機」は私たちの目の前に現れています。
 農業生産に不可欠な燃料や電力といった資源価格の急上昇や、多くを輸入に頼っている飼料や肥料の価格高騰が経営を圧迫しています。この経済的窮状の原因としては、エネルギーを化石燃料に頼り、外部から購入することで、お金が域外に流出し続けていることがあげられます。

 
 しかし、農村地域は、自然エネルギーの宝庫でもあります。これまで明確な政策上の位置づけがなかった農村地域の自然エネルギーの農業利用について、直ちに対応すべきでしょう。農林業に直結するバイオマスだけでなく、農地に降り注ぐ太陽光や、吹き抜ける風、農業用水利システムなどから生み出されるエネルギーの農業への活用を、政策の中に明確に位置づけるべきです。農村地域に眠っている自然エネルギーを、他者に頼るのではなく、農業者自らが引き出し・使う方向に転換するのです。

 農業者、地域の関係者の皆さん、自らの経営強化のため、地域のために、そして豊かな未来のために、自然エネルギーを利用する事業を自らの手で行い、エネルギー自立とエネルギー転換に取り組んでいきましょう。
 政策の関係者の皆さん、食料安全保障、農業の経営基盤強化のため、自然エネルギーを「農業上の利用」に位置付け、エネルギー自立・エネルギー転換の政策展開を速やかに行ってください。

農業者自身が行うエネルギー事業は農業に貢献

 農業者の所得向上につながる画期的な手段となる可能性を持つ営農型太陽光発電は、もともとは日本発の技術ですが、いま世界的に普及が始まっています。日本では、FIT制度の下で高い利益の発電事業にのみ注目する地域外事業者による開発が目立ち、当然の批判が強まっています。農業経営の強化を目的とした農業者自らの事業としての営農型太陽光やため池太陽光発電こそ、これからの農村が目指すべき方向です。さらに、「地球沸騰」のいま、太陽光パネルは遮光による作物生育条件の改善や貯水池の蒸発抑制など、農業・農村の気候危機への適応策として、農業に直結する効果があります。

 農業者、地域の関係者の皆さん、営農型太陽光発電は地域の農業を維持拡大し、農業・農村における地域電源としての大きな役割が期待されます。自然エネルギーの導入を地域計画の中核に位置づけていきましょう。その電気は施設園芸・畜産や用排水ポンプ、農業用倉庫や加工場のほか、今後見込まれる農業機械の電化に際しても広く活用することが出来ます。(*ただし、費用効果性は、送電線の有無、需要先の近接状態などに依存します。)
 政策の関係者の皆さん、農業を維持拡大し、地域に貢献する営農型太陽光発電ほかのエネルギー生産のため、資本不足に悩む農業者への長期融資や事業の安定化、技術開発・研究のための助成金投入を進めてください。農業・地域の強化につながるエネルギー自立の政策展開を行うことが急務です。

【営農型太陽光発電の事例】
(1)水稲 (2)露地野菜
有機農業に営農型太陽光も取り入れて、農家収入を安定化
「阿東つばめ農園」おひさま発電所提供(山口県山口市阿東)
日陰が作業を助けます
千葉エコ・エネルギー株式会社提供(千葉県千葉市)


(3)ソーラー下の草を食む牛 (4)シャインマスカット
パネル陰がちょうど牛の休み場にも
二本松ソーラー株式会社提供(福島県二本松市)
パネルは雨除けとしても機能
カネヘイファーム後藤繁生氏提供(静岡県富士宮市)


呼びかけ人代表
堀口健治(早稲田大学名誉教授)

〈賛同者〉
安渓遊地 (阿東つばめ農園・山口県立大学名誉教授)
小山田大和(合同会社小田原かなごてファーム 代表社員)
後藤繁生 (カネヘイファーム)
近藤恵  (二本松営農ソーラー株式会社代表取締役)
重藤さわ子(事業構想大学院大学教授)
豊田知世 (島根県立大学地域政策学部准教授)
堀尾正靱 (東京農工大学名誉教授)
馬上丈司 (千葉エコ・エネルギー株式会社 代表取締役)

意見広告の掲載にあたり、ご賛同をいただきました。
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スマイルあわじ 千葉エコ・エネルギー 二本松営農ソーラー
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株式会社農園貞太郎 株式会社メカニック  陸前高田しみんエネルギー
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Agri Power Sharing株式会社 REREAGRI  


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