酒造好適米をもろみに3割配合し、フルーティーな香りを実現した。
日本酒やビールを製造する同社は、20年から「日の丸ウイスキー」ブランドで、米国や台湾などへの輸出に乗り出し、好調な販売を記録している。
輸出向けの新商品を作る中で、米の活用を決めた。「大麦や小麦のウイスキーは海外でも作れるが、米のウイスキーは日本ならではの特色を出せる」(同社)と商機を見いだす。
現段階では、米の使用は原料の一部にとどまっているが、今後、米を主原料にしたウイスキーの開発を進める方針だ。
同社のウイスキーは泡盛の製造方法が土台のため、タイ米を使っていた。ただ、今年から初めて、国産米を使ったウイスキー造りに取り組むという。「原料から日本産であることを強調できる」(同社)と狙いを話す。
財務省の貿易統計によると、22年のウイスキーの輸出額は前年比2割増の560億円。14年比では約10倍に急伸した。輸出額が日本酒を上回り酒類でトップになるなど、世界的なウイスキーブームを背景に急拡大している。
世界では5年ほど前から、急激にウイスキーの人気が上昇している。特に、五大ウイスキーに数えられる日本産の人気が高い。手作り感のある蒸留所の台頭が世界的なトレンドとなっている中、日本国内の小規模な蒸留所にアピールするチャンスが訪れている。