開花異常は花穂の先端部で発生しやすく、上部や中間部では発生しにくいという傾向がある。
山梨県や長野県の産地では、先端部に異常があった場合、房の付け根に近い上部の支梗や花穂の中間部を4センチ前後残して房作りをするよう、県やJAなどが指導している。通常よりやや小ぶりになるが、出荷可能な品質の房を生産できる。
開花異常の花冠は、満開期近くになると緑から茶に変色して見分けやすくなるが、開花直前~開花始期は判断が難しい。このため、先端部と上部の支梗の2カ所を残し、外観で判断できるようになってから、異常が見られた方を切り落とす手法を取る産地もある。
だが、花穂整形の時期を遅らせ過ぎると、その後に行う1回目のジベレリン処理などの作業が適期にできなくなる。作業時間や人手などを考慮して時期を設定する必要がある。
手間が少なく、作業も遅れにくいが、症状が重いと、花穂の中間部まで開花異常が発生することもある。この場合は、先端部を長く残しても房が作れない可能性がある。
開花異常はまだ研究が進んでおらず、対策も各産地が手探りで取り組んでいるのが現状だ。症状や有効な対策も地域によって異なる可能性がある。県やJAなどから対策の案内があった場合は、それを確実に実践することが重要となる。
あわせて読みたい
「農家の特報班」(略称のうとく)に取材してほしいことを、LINEでお知らせください。友だち登録はこちらから。
これまでの記事