[おまかせ菜園フクダ流]ハナアブ採集 特製の網で捕まえて
11月に入り花が咲き始めました。懸案の授粉はハナアブを採集することにしました。狙い目はナミハナアブやシマハナアブのハナアブです。背中に黒いカタカナのエの字のような模様が目印です。イチゴの花によく行きます。これらのハナアブはハチのように針はないので刺されることもありません。飛び方はミツバチに比べると意外と敏しょうです。素手で捕獲することもできないことはありませんが、やはり捕虫網があった方がよいので、専用のものをいくつか手作りしました。
アブは小さいので捕虫網はあまり口径が大きくない方がよく、また、取手の長い棒も必要ないと思います。そこで使い古しの防虫網、目合い0・25ミリのAJメッシュシートを使って作りました。網に使う生地の寸法は50センチ四方もあれば十分です。それとある程度しっかりしたビニール被覆の針金が材料です。
まずは、生地の端を2センチほど折り返し、針金を通す部分をミシンで縫います。手縫いでもできます。続いて縦に二つに折って袋状の網にするため、側面を縫っていきます。網の下の部分は丸くカーブさせて縫います。縫い終わったら縫いしろを5ミリぐらい残して余分な生地部分を裁ちはさみで切り落とし、これで縫製作業はおしまい。
続いて針金を丸く通します。網の入り口部分を一周してさらに30センチほど取っ手部分を両側2本出して針金を切ります。取っ手部分は2本とも半分に折り返し、先を取っ手に巻き付けて完成です。取っ手部分の針金を握りやすいように広げます。
ハナアブは午前中から昼ごろに花壇の菊の花などにやってきます。特製捕虫網を温室に常備しました。実習前の昼休み、みんなでハナアブの採集です。ハナアブが捕虫網に入ったら手首を返し網の開口部を閉じます。そのまま温室へ行き、温室内で網を開きます。ハナアブに触れることなく温室内に放すことができます。ハナアブはすぐにイチゴの花に向かいます。イチゴの花に行ったハナアブはくるくると回りながら蜜を吸うので足などについた花粉で授粉することになります。人工授粉より確実に花粉が付くので形の良いイチゴができます。開花後約1カ月で果実が色づきます。年内の収穫が楽しみです。(東京農業大学グリーンアカデミー講師・福田俊)
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