日本農業新聞の港義弘会長は「食料の安定供給に貢献するJAグループの役割を発信し、持続可能な食と農への理解醸成に貢献していく」とあいさつ。農業を取り巻く環境が厳しい中で「正確で信頼性の高い情報の提供」の重要性を指摘した。
JA全中の山野徹会長は「(日本農業新聞は)組合員やJAグループ役職員にとって不可欠なメディア」と強調した。食料、農業に社会的関心が高まっているとして、情報発信の強化を期待した。
滝波宏文農水副大臣は「地域に根差した全国各地の現場からの情報発信に期待している」と語った。
朝日新聞の角田克社長は、日本農業新聞と連携を強め「共に地方、農村を元気にする手伝いをさせてほしい」と述べた。
表彰では、本紙の普及・活用で、福岡県・JAみなみ筑後が日本農業新聞大賞に輝いた。通信員表彰は、年間最優秀記事の部で、鹿児島県・JA種子屋久の鮫島梨恵さんを選んだ。第21回一村逸品大賞の大賞は、寿々瀧(新潟県長岡市)の「おむすびジャム 神楽南蛮にんにく」が受賞。第50回読者の写真コンテストでは、課題写真の部で岐阜県高山市の板屋光彦さんの「冬に備えて」が農水大臣賞に輝いた。
米をもうかる産業に

米は消費者に納得いただけるような生産性向上の努力を産地が不断に重ね、生産性向上に前向きに取り組む方々の再生産を可能とし、安定供給につなげることが重要だ。
意欲のある農家が生産性向上に取り組むことを後押しし、付加価値の向上、輸出の拡大を促進することにより、米の生産がもうかる産業となるよう政策を進める。
今後、人口減少下でも農業・食料産業の生産基盤を強化し、将来にわたり国民の食を確保していくため、JAグループに果たしていただく役割は非常に大きい。今後ともよろしくお願いしたい。
JAと共に農政推進

自民党の森山裕幹事長は、今後5年間で農業の構造転換を進めるため「旧来の農業予算とは別枠で大幅に予算を確保することが必要」と訴えた。米国との関税交渉で「農林水産業を犠牲にし国益を損なうことがあってはいけない」とした。
公明党の斉藤鉄夫代表は「消費者にとっては米は安い方がいいが、それでは日本の食と農を守れない」と指摘。消費者の理解醸成など「食と農を結ぶ日本農業新聞の役割は非常に大きい」と述べた。
立憲民主党の野田佳彦代表は「農は国の基なり」の精神で、農業の発展へ「全力で頑張っていく」と意気込んだ。国民民主党の玉木雄一郎代表は「農政に与野党(の区別)はない」とし、生産者と消費者の声を踏まえ「農政の本物の改革をやるべきだ」と述べた。
懇親会には自民党の小野寺五典政調会長、坂本哲志国対委員長、宮下一郎総合農林政策調査会長、野村哲郎氏、上月良祐農林部会長、山田俊男氏、藤木眞也氏、公明党の谷合正明農林水産業活性化調査会長、立憲民主党の金子恵美農林水産部門長、篠原孝氏、国民民主の舟山康江農林水産調査会長、共産党の紙智子農林・漁民局長も参加した。
日本農業新聞大賞
大坪康志組合長(福岡・JAみなみ筑後)

理事の後押しもあり、2日に1回の記事掲載を目指している。組合員に「うちのJAが掲載されている」と思ってもらえるように積極的に送稿し、記事活用を呼びかけている。
合併から30周年を迎えた節目に大賞を受賞でき、一同喜んでいる。今後もより部数を伸ばしていきたい。
藤原辰史氏講演
「食」守るため国際的連携を

世界には飢餓で苦しむ人が7億8000万人いる。給食やフードバンクは、飢餓をなくすための取り組みだ。食の問題は人道問題にとどまらず、権力の問題だ。
(私たちは)国内の食べ物を守るだけではなく、食べ物が行き渡らない人のために国際的な連携を進めるべきだ。過去には自国民の食を守るという思いの下で植民地主義に走り、住んでいる人々を追い出した歴史もある。
過去こそが今を考え、未来を構想する大きなヒントになる。協同組合は、世界の食権力により飢餓に苦しんでいる人たちを救うことができる。日本農業新聞には、食権力にどのように抵抗できるか議論する役割がある。
畜産の明るい未来描く

JRAの広告「JRA畜産振興事業 畜産ティーン育成プロジェクト事業」は、畜産業の発展のため農高生が世界で学び、奮闘する姿などを描いた。畜産業の明るい未来に着目した企画力や表現力が評価された。
JRAの吉田正義理事長は「畜産振興はJRAの役割の一つ。畜産業で働く人、産業の発展に引き続き貢献したい」と述べた。

監督経験から、人を育てる上で重要なことは「人を知ること」と強調。農業との共通点として「野菜作りでも栽培方法や除草方法など、野菜のことを日々知ることを心がけている」と語った。
▽第50回読者の写真コンテスト・課題写真の部=板屋光彦(岐阜県高山市)「冬に備えて」
■日本農業新聞大賞
▽JAみなみ筑後(福岡)
■日本農業新聞準大賞
▽JAとうかつ中央(千葉)
■JA全中会長賞
▽普及率全国最高JA=JAとうや湖(北海道)▽保有部数全国最高JA=JAみやざき▽年間増部数全国最高JA=JA福山市(広島)
■日本農業新聞会長賞
▽普及活用維持優績JA=JA福岡市
▽長期普及優績JA=JAひがしかわ(北海道)、JA標津(同)、JA中標津(同)、JAさがえ西村山(山形)、JAいちかわ(千葉)、JA新潟かがやき
▽普及拡大優績JA=JA秋田ふるさと、JAさいたま、JA山口県、JAみい(福岡)、JAふくおか嘉穂
▽電子版普及拡大優績JA=JAさが、JAおきなわ
▽諸事業普及優績感謝状=JA北海道中央会、JA新潟中央会、JA三重中央会、JAみやざき
■優績通信員表彰
▽年間最優秀記事の部=鮫島梨恵(鹿児島・JA種子屋久)
▽年間最優秀写真の部=渡辺ミホ(山梨・JA鳴沢村)
▽優績通信員=菊池光祐(北海道・JAきたみらい)、佐藤達也(山形・JA庄内たがわ)、沢辺裕太(JA横浜)、上條梨緒(長野・JA上伊那)、石原裕介(岐阜・JAひだ)、高見香織(JA兵庫南)、敷本正毅(JAひろしま)、恒石明乙羽(JA高知県)、松原愛(熊本・JAたまな)
■第21回一村逸品大賞
▽大賞=「おむすびジャム 神楽南蛮にんにく」(新潟・寿々瀧)
▽金賞=「タプナード」(香川・蒼のダイヤ)、「あまおうラーメン」(福岡・SoiL)
■日本農業新聞賞
▽第50回読者の写真コンテスト・ニュース写真の部=平田敬二(和歌山県橋本市)「クビアカツヤカミキリ被害拡大」
■記事活用エピソード(最優秀賞)
▽一般の部=梶田大(滋賀県甲賀市)
▽学生・生徒の部=渡辺悠慎(熊本県菊池市)
■日本農業新聞愛読者感謝状
▽阿久津晃一(宇都宮市)、橘田初子(山梨県笛吹市)、矢野義昭(兵庫県三木市)、熊本悠介(福岡市)、浜崎久子(福岡県北九州市)
■第21回日本農業新聞広告賞
▽グランプリ=日本中央競馬会「JRA畜産振興事業 畜産ティーン育成プロジェクト事業」▽準グランプリ=カネコ種苗「カネコのサツマイモ『しっとりorほくほく?』」
▽大型スペース広告部門優秀賞=JR貨物北海道支社「はこびました篇」、トキタ種苗「低温でも発芽する『ミルキーシュガー』」
▽記事下広告部門優秀賞=ヴィルモランみかど「革新『ウルとま』/王道『小鈴』」、明治「いただきますの前にも、チョコレート効果!」
▽バリエーション広告部門優秀賞=協友アグリ「藻はもーイヤッ!初期除草剤 先陣」、霧島酒造「霧島酒造 生産農家 絆プロジェクト」
▽記事体広告部門優秀賞=NTT e―Drone Technology「わたしたちはみなさまの安全と安心を守っていきます」、日本製紙「みみずふん土で土づくり」
▽ウェブ広告部門優秀賞=Root「AR(拡張現実)農作業補助アプリ『Agri―AR』」、ダイトク「泥棒対策 畑、山で監視 ディフェンダー301」
▽審査員特別賞=中央畜産会「国産の牛乳、お肉、卵を食べてまもろう」
(敬称略)



