産地事例紹介

“男気トマト” SNSでファン拡大中

埼玉県・手島農園

“男気トマト”Tシャツを着た手島さん
“男気トマト”Tシャツを着た手島さん

「こんトマ~ どうですか~、収穫直後のイケメン達は 最後まで全力で突っ走りますので、応援よろしくお願いしマッスル 男気わっしょい」。取れたての真っ赤なトマトの写真と絵文字を多用した投稿に、見た人の支持や共感を示す「いいね!」が2000近くつく。

埼玉県桶川市の手島孝明さん(47)。インターネット交流サイト(SNS)のファンを表すフォロワー数は、4万5000人を超える。一般にこの数が1万人を超えると、世の中に影響力を持つ人を意味する「インフルエンサー」と呼ばれる。農業の話題を発信する手島さんのような人は、「農インフルエンサー」と称される。

手島さんが投稿しているのは、写真動画投稿アプリ「インスタグラム」、「ツイッター」、「フェイスブック」だ。フォロワー数はツイッターが最多だが、インスタの方が反応は多いという。SNS上で投稿を検索しやすくするキーワードであるハッシュタグ。頭に「#」をつけたキーワードだが、ユーザーはこれで自分の関心のある話題を見つける。手島さんのインスタには、「#トマト #トマト好き #トマト農家 #トマト農園 #農業男子」などのハッシュタグが並ぶ。トマトや農業に関心のある人たちは、これを頼りにネット上の手島農園にやって来る。

収穫したトマトの投稿に2000件近い「いいね!」がつく
収穫したトマトの投稿に2000件近い「いいね!」がつく

コロナ禍で外出できない分、SNSに投稿される農園の風景に癒される人もいる。行楽シーズンに来た注文には、「外出自粛で自宅にいる子どもが楽しみにしています」とメッセージがあった。自分のトマトが人を勇気づけられる─コロナ禍の中で手島さんが見つけたことだった。

オンリーワンのトマト目指し無かん水栽培に挑戦

手島さんは大学卒業後、大手食品メーカーに13年勤め、36歳で就農。実家は江戸時代から18代続く農家で、父の代はキュウリを栽培していた。

未経験のトマトづくりにあえて挑戦したのには理由があった。トマトは品種で4割、栽培技術で6割が決まるという。それなら技術を磨けば、自分だけのオンリーワンのトマトが作れる。そして、トマトは作り手が最も多い作物。その世界で自分の力で勝負したい─父にその思いをぶつけた。父の理解を得られ、手島農園の経営を任された。

まったくの独学で始めたトマト栽培だったが、1年目は大失敗。病気が多発した。2年目は失敗を反省し、県の平均収量にこぎつけた。味も試行錯誤した。トマトは水分ストレスをかけると、味が良くなる。しかし、どうストレスをかけたら良いか分からない。そこで試験的に1畝で定植以降、水を与えない「無かん水栽培」に挑戦してみた。手探りで栽培法を確立。味が濃く甘さと酸味のバランスが良い「昔ながらの味わい」のトマトができた。

トマトへの思い伝えたい一心 等身大の自分を発信

自宅に隣接する直売所にはSNSを見た顧客が長蛇の列
自宅に隣接する直売所にはSNSを見た顧客が長蛇の列

今では4連棟の2つのハウス2000平方メートルで、大玉を中心に4000本栽培。「男気トマト」ブランドで、スーパーの他、直売と自社サイトによるネット通販で売る。今年からは、請われて飲食店にも卸している。宣伝費は一切かけず、SNSでつながった顧客からの注文が8割を占めるという。

また常連客からの要望で、今年4月から男気トマト100%のジュースを発売。無塩無添加の直球勝負のジュースだ。トマトもジュースも、すでに自社サイトからの来シーズンの予約が多数入っている。

SNSがなければ、出会うことはなかった人たち。自分のトマトへの思いを伝えたい一心で始めたネットへの投稿に、まるで親戚や友人のように共感してくれる人たちがいる。

手島さんにフォロワーや「いいね!」を増やす秘けつは?と聞くと苦笑してこう打ち明けた。「そんなものはありません。等身大の自分を、自分のことばで発信しているだけ。取り繕ってみても人柄は出ますから」。

常連客の要望に応えて作ったトマトジュース
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