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【産地レポート】福岡県
皮柔らかく良食味で人気 中玉「はなひめ」

JAふくおか八女 中玉トマト部会 部会長 原 正彦さん

 JAふくおか八女の「はなひめ」は、JAオリジナルブランドとして人気の中玉トマト。品種は「フルティカ」で、冬春・夏秋の2作型で周年出荷している。栽培する中玉トマト部会は、売り上げが4億円を突破したのを機に2019年8月、同JA20番目の部会として設立した。

 部会員は33人、うち冬春栽培が25人、夏秋が14人、両方やる人が6人いる。出荷量は年間で900トンほど。冬春が720~750トン、夏秋が130~150トンだ。全国の生協、量販店を中心に出荷されている。

 冬春のピークとなる5~6月には、日量8~10トンがJAの黒木パッケージセンターへ運び込まれる。同センターでは、契約取引先の要望に応じた規格で約30人の作業員が手作業で選果・パック詰めし、有利販売と生産者の労力軽減につなげている。

人気の中玉 他作物からも転換

 中玉トマト部会の前身は18年前、大手食品メーカーの契約栽培トマトを作る生産者の研究会だった。そのとき作っていた品種が中玉だったため、その後も慣れている中玉トマトを栽培している。

 中玉トマト部会の原正彦部会長(62)は中玉の特徴を、「ミニトマトより皮が柔らかく、大玉より食味が良い」ことだと分析する。包丁のない家庭もあるなかで、切らずにそのまま食べられるミニや中玉は人気だ。取引価格も安定しており、収量を上げればそのまま収益につながるとあって、他作物から転換したり若い生産者も入るなど、部会員も徐々に増えている。

 一方で栽培管理では、大玉より脇芽が出やすく脇芽取り作業が増える分、労力がかかる。また黄化葉巻病耐病性品種ではないので、タバココナジラミ対策に目合い0.4ミリの防虫ネットを張っている。皮が柔らかいので機械選別に向かず、手選別なのも大変な部分だ。

土壌診断で過不足補う 情報共有アプリも

 部会員のハウスはすべて土耕のため土壌消毒を徹底、JAの環境センターで土壌分析と残留農薬分析を行っている。この土壌診断結果に基づき、施肥設計会議で過不足を補っている。

 二酸化炭素(CO2)発生装置を導入した一部の部会員は、ハウス内環境をモニタリングするアプリ「はかる蔵」に加入している。加入部会員同士は、グループ登録しており、お互いに情報共有できる。

 原部会長は、「『はなひめ』は年間を通して出荷され、食味も良く、A品率が96%近いと市場評価も高い。手入れが大変だが、がんばればそれに応えてくれる。今後も産地を大きくしていきたい」と意気込む。

「はなひめ」ブランドをさらに大きくしようと励む原部会長
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