麦類で穂が褐変して収量や品質が落ちる病害「赤かび病」の多発の恐れがあるとして、各県が注意を呼びかけている。これまでに九州を中心に７県が注意報を発表。対策は２回の防除が基本だが、品種によっては３回目を促す県もある。適期収穫も重要とする。

　４月下旬までに、愛知、滋賀、福岡、佐賀、大分、長崎、熊本の各県が注意報を発表。東北・関東含め他の地域でも１０県以上が防除の徹底を呼びかける技術情報を出している。

　九州の各産地では防除適期に降雨が重なり、発生が広がりやすい条件が続いた。長崎県の調査では、発病穂率と発生圃場（ほじょう）率は、小麦・大麦ともに過去１０年で最多。被害拡大を防ぐため、適期に確実に収穫すること、十分に乾燥することを挙げる。

　滋賀県は、生産が伸びている「びわほなみ」は同病害に弱いとして、通常２回のところ３回の防除を呼びかける。その他の品種でも、天候によっては追加防除を促す。

　赤かび病は開花期に感染し、降雨・高温が重なると広がる。