多収を目指せ!『苗箱まかせ』+『一発肥料』で切り拓く米作りの可能性




『苗箱まかせ』とは? 省力栽培から多収を目指すツールへ



 水稲栽培において、省力化を支える技術として注目される施肥資材『苗箱まかせ』。
 ※『苗箱まかせ』はJAの専売品です。

 ジェイカムアグリ株式会社が提供する『苗箱まかせ』は、播種(はしゅ)時に育苗箱内へ肥料を施用することで、その後の本田での基肥や追肥作業が不要になる省力的施肥方法として知られている。

 『苗箱まかせ』は、育苗期間中に肥料成分が溶出しにくい特性を持つため、種もみと肥料が直接触れる状況でも濃度障害を受けず、良質な苗の育成を可能にする。

 この技術により、従来の施肥作業を大幅に削減し、農作業の効率化とコスト削減が期待される。

 そんな省力化に貢献する資材の『苗箱まかせ』だが、慣行の基肥一発肥料に『苗箱まかせ』を組み合わせて安定多収を目指す新たな施肥法が注目されている。

 『苗箱まかせ』を使った栽培方法で、飼料米多収日本一を受賞した事例もある。
 詳細は関東農政局「飼料用米多収日本一」コンテストページ参照同コンテストの受賞者の取り組み概要はこちら



 特に近年の高温、乾燥や日照不足といった気象条件の中でも安定した初期生育と有効茎数の早期確保、良好な登熟が見
られ、多収に成功した事例が報告されている。【下記参照】



『苗箱まかせ』と基肥一発肥料の併用で安定多収を実現【※自社試験による】



 『苗箱まかせ』を基肥一発肥料や側条施肥と組み合わせることで、単独施用では得られない安定的な収量増を狙うことができる。

 例えば、速効性窒素を含む肥料の側条施肥により初期生育を良化し、『苗箱まかせ』で中期以降の窒素供給を最適化した実証例では、通常の施肥方法に比べて2~14%の増収を達成した報告もある。

注1)『苗箱まかせ』は「N400ー100B30」を使用。
注2)2021年度は平年並み、22年は日照不足、23年は高温乾燥、24年は高温寡照の気候だった。


関連する文献はこちら → 文献1  文献2

 また、側条施肥ができない圃場(ほじょう)では、基肥一発肥料を全面施肥することで同様の効果を得るケースも確認されている。
 
 育苗箱数を減らすための高密度播種では、『苗箱まかせ』の面積当たり施肥量が不足する懸念もあるが、基肥一発肥料の本田施用との組み合わせで生育・収量を確保できる。

【現地事例を詳しく知る】

『苗箱まかせ』の使用方法について



 本技術の軸となる『苗箱まかせ』は適切な育苗管理が重要になる。

 施肥方法や育苗管理の条件に応じて三つの施用方法を選択する。

  1. 層状施肥法:床土の上に『苗箱まかせ』を層状に施用し、その上から種もみをまき覆土する。

  2. 混合施肥法:床土に『苗箱まかせ』を混ぜて施用し、種もみをまいた後、覆土する。山土や田の土を活用し、他の育苗肥料や調整剤を使用する場合に適している。

  3. 箱底施肥法:育苗箱の底に『苗箱まかせ』を施用し、その上から床土を重ねる。施肥量を増やす必要がある場合や育苗が不安定になりやすい地域で利用される。

 育苗期間中のかん水方法としてはプール育苗が推奨される。プール育苗では、出芽長を0.5〜1cm以内にそろえることが重要となる。
 出芽がそろえば、プール育苗を利用して水苗代状態を維持し、1〜1.5葉以降はヒタヒタ水状態で推移させる。

 水温が異常に上昇する場合は水交換が必要。
 田植え2、3日前には落水させる。

 ハウス育苗の場合、出芽期以降の苗の伸長を抑制することが重要となる。
 ハウス内の温度を高めないようにし、朝一番に裾開けを実施し、温度が上昇する場合はビニール全開を目指す。
 育苗後半には『苗箱まかせ』の窒素が一部溶出し、高窒素で良質な「ズングリ苗」が出来上がる。

■『苗箱まかせ』についてはこちら






■お問い合わせ先

ジェイカムアグリ株式会社

住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2丁目6番6号 ニッセイ神田須田町ビル
TEL:03-5297-8906(技術管理本部)
URL:https://www.jcam-agri.co.jp/index.html

※ご購入についてはお近くのJAまでお問い合わせください。


<制作>日本農業新聞 広報局




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