日本農業新聞は9日、東京都内で開く日本農業新聞全国大会で「第20回一村逸品大賞」を表彰します。表彰するのは、大賞に輝いた岩手県・岩泉ホールディングスの「畑わさベーゼ」の他、金賞2点、審査員特別賞1点です。3月25日に開いた中央審査会(審査委員長は漫画家のやくみつる氏)で決めました。
大 賞 金 賞おてつめカフェオレあん最中(北海道)
黄金の雫 梨ロールケーキ(埼玉)
白神まいたけキッシュ(秋田)
ドライフルーツ(和歌山)
因島のはっさくシャーベット(広島)
「一村逸品大賞」は日本農業新聞に掲載された各地の農産物加工品の中から、応募のあった商品を前期、後期に分けて審査し、年に1回大賞、金賞を選びます。2023年の掲載は171点、38点の応募がありました。
岩泉ホールディングス(岩手)
のり巻きや刺し身、冷ややっこなどの和食はもちろん、ローストビーフやカルパッチョなどの洋食とも相性が良い。どんな料理にも合うように同社が開発し、2023年7月から販売を始めた。
価格は1瓶(100グラム)700円。同町の道の駅いわいずみ、道の駅三田貝分校などで販売する。
問い合わせは岩泉HD営業販売課、(電)0194(32)3008。
コウシ茶寮(北海道)
牛乳のミルキーな甘味とコーヒーの苦味を楽しめるカフェオレあんに、道産米粉を原料に使ったパリパリ食感のもなか種がよく合う。あんこが苦手な人でも食べやすく、滑らかな舌触りで甘過ぎないと評判だ。残りはパンに塗ったり、アイスクリームに添えたりして楽しむのもお勧め。
5個入り1620円、10個入り3240円(いずれも送料別)。同店の他、同町のふるさと納税などで購入できる。問い合わせは同店、(電)0153(74)8750。
JAさいたま(埼玉)
梨のほのかな香りと、口に広がる爽やかな甘さがおいしさの秘密。冷凍販売のケーキは、解凍することで、出来たてのおいしさを楽しめる。贈答用にもお薦めだ。
1本1400円。木崎ぐるめ米ランド、上尾ぐるめ米ランド、安行農産物直売所などJA直売所6店舗で購入できる。
問い合わせはJA経営企画広報課、(電)048(666)1252。
みるふちゃん工房(北海道)
柔らかい食感で、カッテージチーズのような味わい。バジルソースやわさびしょうゆを付けて、そのまま食べても良い。熱を加えても溶けないため、磯辺揚げやすき焼きの具材など、さまざまな食べ方ができる。
みるふちゃんは500円。一口サイズの「しゃぶしゃぶ専用みるふちゃん」は700円。いずれも1個150グラム入り。通販サイト「BASE」などで購入できる。問い合わせは、みるふちゃん工房、(電)090(3112)5362。
藤里町社会福祉協議会(秋田)
白神まいたけの他、比内地鶏の卵、生クリームやベーコンをたっぷり使って焼き上げた。出来たてのおいしさを楽しめるよう、焼きたてを急速冷凍したこだわりの製法で販売している。
直径15センチで1個1900円。「道の駅ふたつい」で販売。問い合わせは藤里町社会福祉協議会、(電)0185(79)2848。
JA紀南(和歌山)
看板商品の「紀州南高梅」はフルーティな甘さと程よい酸味で、梅が苦手でも食べやすい。
「みかん」と「レモン」は1袋22グラム入りで、「すもも」などのその他は20グラム。「清見オレンジ」「はっさく」は210円、その他は230円。JA直売所「紀菜柑」やAコープなどで販売する。問い合わせはJA加工部、フリーダイヤル(0120)369159。
JA尾道市(広島)
ハッサクの爽やかな酸味や程よい苦味はそのままに、凍らせてシャリシャリとした食感に仕上げた。2019年の発売から販売数を順調に伸ばし、22年には72万個を売り上げた。カップのふたには「はっさくBOY」をあしらった。
1個(75グラム)145円。5個入り950円や12個入り1900円、60個入り7800円といったセットもそろえる。
JA尾道市各店舗の他、県内の土産物店や百貨店、販売サイトなどで購入できる。問い合わせはJA因島営農センター、(電)0845(25)6161。
審査委員長 やくみつる氏
知られざる地域の名産光る
今回の入賞商品には〝学び〟のあるものが多いと感じます。この土地にこんな名産が? と思うような、まだ消費者に広く知られていない、メジャーになりそうな物を選べたのは意義があります。大賞は「畑わさベーゼ」。ワサビは水が流れる所で作るイメージでしたが、水が流れていないところで作る畑ワサビの商品化です。岩手県岩泉町が特産地だと知り、学びがあると付加価値が増します。パンチのあるおいしさで茎のシャリシャリ食感も意外性があります。
金賞の「おてつめカフェオレあん最中」は、自分であんをすくって皮に乗せるのが楽しいです。皮がかわいい子牛の形で人が手に取ってくれるよう訴求し、この商品を囲んで盛り上がる情景が思い浮かびます。
同じく金賞の「黄金の雫 梨ロールケーキ」。埼玉に梨のイメージはなかったのですが、果物にも力を入れており梨もあったのかと気付きがありました。香り漂い重量感がありご進物としてありがたみがあります。
審査員特別賞の「みるふちゃん」は、酪農家の生産過程で出る牛乳豆腐をひと工夫しました。いかようにも食べられる汎用(はんよう)性の豊かな商品です。みそにも合い、どこにでも割って入っていけます。
「白神まいたけキッシュ」は、食べ応えがありワインのお供にも。鍋料理に入れるマイタケが、おしゃれなキッシュになる驚きがありました。
「ドライフルーツ紀州南高梅」は、癖になる梅干しの酸っぱさをキープしつつ、ドライにして食べやすくしています。「因島のはっさくシャーベット」は売り上げがダントツ。果肉がごろごろ入って食べ応え十分です。