食料自給率、金額ベース58%に急落 輸入値上がり、国産価格低調 22年度
カロリー38%変化なし
生産額ベースの自給率の低下は2年連続。2年間で9ポイント下がり、50%台に落ち込んで過去最低となった。
22年度に輸入した食料の量は前年度と同程度だった。だが、穀物や飼料、肥料、燃油などの国際価格が上昇。物流費の高騰や円安の影響もあり、輸入価格が総じて上がった。
一方、国産は価格転嫁が進まず、伸び悩んだとみられる。期間がやや異なるなど単純に比較できないが、農水省の統計によると、22年の農産物価格指数は20年を100として102・2。前年比1・4%上昇と小幅な値上がりにとどまる。
カロリーベースの自給率が40%を割り込むのは13年連続。原料の多くを輸入に頼る油脂類の消費は減ったが、前年に豊作だった小麦の10アール当たり収量が平年並みに減り、魚介類の生産量も減ったことが響いた。
政府は30年度に食料自給率を生産額ベースで75%、カロリーベースで45%とする目標を掲げる。いずれも目標との差は大きく、達成は見通せない。
食料自給率は、農水省が近く公表する。