気象庁地震津波監視課によると、同半島付近の活断層は海域を中心に発見されてきたが、陸域では把握が進んでいない。
大学など研究機関の専門家で構成する政府の地震調査委員会は、今回の震源となった断層が北東から南西に延びる150キロほどの逆断層と推定。半島北沖の海底で存在が判明している複数の活断層との関係性は「不明」だとしている。
これについて、同課担当者は「今回の地震は、過去の事例より範囲が広い」と指摘した上で、「まだ知られていない陸域にある活断層」が発生原因と推定されると述べた。陸域の断層が動いたことで、田など農地にも断層に沿った地割れが生じている恐れがあるという。
今回の地震で観測された2826ガルは、2011年の東日本大震災の際に宮城県栗原市で観測した2934ガルに匹敵するレベル。1995年の阪神・淡路大震災では、震源域の神戸市中央区でも891ガルで、今回はその3倍を超えている。
陸地4メートル隆起 国土地理院
国土地理院によると、今回の地震で輪島市猿山岬付近で北東から南西方向へ約20キロにわたり、2メートル以上隆起した地点が集中した。同心円状に半島西部が盛り上がっている。
同院宇宙測地課の担当者は「3年前から隆起と沈降を繰り返している地域だが、4メートル級の隆起は初めて。地震の規模の大きさを物語る」と話した。
<ことば> 加速度(ガル)
揺れの激しさを表す指標の一つで、震度の計算に使われる。地震が起きた地表での加速度の測定値。1秒当たりの速度の変化を表す単位。1ガルは1秒間に秒速1センチ加速したことを示す。統計開始以降、2000ガルを超えた地震は東日本大震災と今回の能登半島地震だけ。