能登半島地震による道路の損傷などで一時的に供給が途絶えた飼料が、徐々に畜産農家に届いている。道路の復旧などが徐々に進み、JA東日本くみあい飼料は、石川県内全ての取引農家に対し、飼料の供給を再開した。ただ、損傷が激しく、まだ飼料を運び込めない農家もおり、道路復旧の加速が課題となっている。
同社が取引する県内の農家は能登地域を中心に33戸。6日から順次、被災地の畜産農家への飼料供給を再開し、現状、全ての注文に対応できるようになったという。ただ、道路の復旧が十分ではないため、通常の大型トラックで運べる農家はほとんどなく、小型トラックやバンで対応している。
同社が取引していない畜産農家も含めると、県内には肉牛が76戸、乳牛が42戸、豚が11戸、鶏が9戸いる。県の13日午後2時時点のまとめによると、道路復旧が進まず、飼料を全く運び込めない農家がまだ4戸いる。
通常の大型トラックで運び込めないため、供給量が不十分な農家もおり、県は「道路復旧が喫緊の課題だ」(畜産振興・防疫対策課)と指摘する。
今回の地震を受け県内の畜産農家では、断水や停電に伴う水不足とともに、道路の寸断による飼料不足が課題となっている。