飲食店3倍、給食ほぼ100%
つくばみらい市は、2023年産主食用米の作付面積が全国4位の県内でも有数の米産地。古くから「谷原三万石」と呼ばれ、直近の作付面積は1800ヘクタールを超える。こうした背景を踏まえ、23年4月に条例を制定。市産業経済課は「制定を機に市民へ周知し、市産米の消費拡大を加速させたい」と話す。

市産米を提供する飲食店が一目で分かるように、のぼり旗や店内広告(POP)を製作。申請があれば無償提供し、登録店舗は条例制定時から3倍増の約30店舗に拡大した。市民参加型の企画も相次いで開催。おにぎりレシピの募集には約30件、米の魅力を伝えるフォトコンテストには約50件の応募があった。
購入できる店舗・場所の情報発信にも力を入れる。JA茨城みなみ農産物直売所「みらいっ娘」や毎月開かれる朝市などをインスタグラムや市のホームページで紹介するが、現在は10カ所に満たないのが課題だ。市は直売に前向きな米農家に声をかけ、品種や配達方法を調査。リスト化し、公開を目指す。
05年の「つくばエクスプレス」の開業を機に宅地開発が進む同市。人口は1万人以上増え、5万人を超えた。市産業経済課は「市産米を食べてもらえるチャンス。生産者の思いと消費者のニーズを結ぶ施策を展開したい」と意気込む。