[おまかせ菜園フクダ流]黒大豆 食べたり種にしたり
種子だけでなく芋類もそうです。サトイモは親芋も子芋も、サツマイモも芋から出た芽を翌年栽培用にできます。ジャガイモも食用部分が翌年の種芋になります。山芋などは地上になるムカゴも地下の芽の部分も翌年の種になります。紫山芋に至っては、食用になる芋全体を切り刻んでも全てから新芽が出てきます。
10月に片付けたオクラも、2メートル以上伸びた上の方に、取らずにいた大きなさやにはいっぱい種が入っています。その中で枯れたさやは翌年の種子にして、まだ緑色のさやは乾かしてから子実を取り出し、焙煎(ばいせん)してオクラコーヒーとして食用にできます。
夏至のころ断根挿し木育苗した黒大豆は、最近では10月中旬に未成熟で収穫する、いわゆるエダマメ需要が増えています。セイコー農園でも10月中旬、エダマメ収穫でおいしくいただきました。黒大豆は2粒さやが多く、一般のエダマメ品種に比べると3粒さやはほとんどありません。しかし、粒は巨大で独特の風味があってとてもおいしいので人気です。全部を収穫せずに残しておくと、約1カ月後、黒大豆は枯れて完熟し、黒豆状態になります。それは翌年の種子でもあります。
株ごと刈り取った黒大豆はしばらく乾かしてから、たたくなりして脱粒します。種子用はそのまま網袋などに入れて雨の当たらない所につっておきます。
正月の黒豆作りも最近は自分でするようになりました。畑の産物でできるのは格別でうれしいものです。作り方はネットにいろいろ出ているので意外と簡単に失敗なくできています。作り方を紹介しておきます。
前夜に煮汁を作り黒豆を入れておきます。水、調味料は以下の通りです。水1800ミリリットル、砂糖260グラム、しょうゆ大さじ2、塩小さじ1、重曹小さじ1を入れて沸かし、黒豆300グラムとガーゼに包んだくぎを入れ、一晩置きます。翌日中火で煮たったらあくを取り、弱火にして4時間ことことと煮込むだけでぷっくらと膨らんだおいしい黒豆ができます。畑のサツマイモで作ったきんとんと共に、わが家のおせちの定番です。(東京農業大学グリーンアカデミー講師・福田俊)
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