[おまかせ菜園フクダ流]春取りニンジン 畝中央には別の野菜
今年のセイコー農園では、芯まで赤く今までいろいろな作型で定評のある「ベーターリッチ」をまく予定です。9、10月に収穫したサツマイモから7月中旬につるを切って、別畝に拡張して植え付け、遅く収穫しようと栽培している畝があります。その畝のサツマイモ収穫後にニンジン用の畝を立てます。
ニンジンはちょっとでも異物があると根が分かれるので丁寧に土をふるいます。ふるった土には細かくふるったぼかし肥料と草木灰を混ぜます。セイコー農園では露地の畝の長さは全て10メートルに統一します。その10メートルに入れるぼかし肥料の量は洗面器1杯ぐらいです。草木灰はその半分ぐらい。堆肥は既に入っているので入れません。ぼかし肥料を土に混ぜ合わせてから畝を立てます。「畝立て君」で成形後、9515マルチを張ります。
春のニンジンもタマネギと同じように収穫しながら次の果菜類などを植えるので、中央の列はニンジンをまかずに早春までに収穫できるホウレンソウを1穴に3、4粒まきます。ニンジンはその他の4列にまきます。
種まき前に「穴あけとんとん」でまき穴を開けます。あり地獄のような穴が開くのでスポット溝底播種(はしゅ)になります。溝底は温度湿度が安定し、発芽しやすくなります。種は1穴に2、3粒落とします。「ベーターリッチ」は白いコーティング種子で、種が見えやすく便利です。穴あけとんとんで種が見えなくなるまで覆土鎮圧します。すぐに換気穴開きのポリトンネルを掛けます。強い季節風で飛ばされないようポリの両脇に直管をパッカーで留め、ダブル杭(くい)で固定します。
芽が出て10センチぐらいに伸びたら1本に間引きます。2月には中央のホウレンソウを収穫します。4月中旬から5月にかけてニンジンが収穫できます。肩の部分を触って太り具合を確認しながら大きい順に収穫します。
ナスやピーマンなどの果菜類も4月中に畝の中央に植えると、トンネル内のニンジンの間で守られてよく活着します。ニンジンの収穫が終わる頃トンネルを外して果菜類の畝になりますが、果菜類が大きくなるまでに時間があるので、株元にエダマメやレタスなどを混植することもできます。(東京農業大学グリーンアカデミー講師・福田俊)
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