農研機構によると、揚水機場に太陽光パネルを設置する事例は全国にあるが、売電目的がほとんどで、ポンプ稼働に使うのは珍しいとみられる。
ポンプは、水田に水を入れるために5~9月に稼働する。揚水機場の屋上や敷地内に太陽光パネル16枚を設置。合計出力は5・36キロワットで、ポンプに電気を供給し、余剰分は蓄電池にためる。発電が不安定な時や夜間は、蓄電池から給電し、不足時は電力会社から供給される電気に切り替える。
同改良区管理課の牧瀬寿幸課長は「太陽光発電やポンプの稼働状況は、タブレット端末やスマートフォンで確認でき、揚水機場に足を運ぶ回数も減らせる。停電時も稼働でき、安定した水管理が見込める」と話す。同揚水機場の電気代は年間8万円程度で、この仕組みで、どの程度削減できるかを調べる。
実証実験は2025年度まで実施する。良い結果を得られれば、同改良区は約400カ所ある揚水機場に太陽光パネルを設置する予定だ。