県のまとめによると、24日午後4時現在、安否不明者は輪島市4人、珠洲市1人。孤立集落は22日の115カ所から減少したが、3市町46カ所がなお孤立している。
輪島、珠洲、能登、穴水の4市町約2860戸で停電が続いている他、停電と水道管の破損などで3市町5216戸が断水している。珠洲市では畜産農家5戸で停電や断水が発生、うち3戸が自家発電で応急対応した。この他、輪島、珠洲両市で農地や農道ののり面の崩壊や陥没が3件、ため池の損壊が2件確認されている。
石川県は24日から義援金の募集を始め、県庁や小松県税事務所、東京事務所などで受け付けている。
◇
まさかこんなひどいことになるとは--。能登半島地震でも甚大な被害を受けた珠洲市で米などを作る農業法人すえひろの水田には、濁流や倒木でなぎ倒された無残な姿の稲穂が残る。農地は原形がなくなるほど川の水に飲み込まれた。社長の末政博司さん(65)は「さあ今から稲刈り本番だって時に、もうがっかり」とこぼす。
震災前は135ヘクタール作付けていたが、地震の影響で1月当時は100ヘクタールの作付けが難しいと見込んでいた。やっと復旧して作付けできたのは約80ヘクタール。4割ほど刈り取りが残る他、高齢などで営農できなくなった地域住民からの作業受託もある。末政さんは「米倉庫も浸水した。前向きに考えたいけど、度重なる災害に気持ちも落ちる。どこまでできるものか」と頭を抱える。