キウイ異常を早期発見 ドローンで空撮、生育表示 愛媛県果樹研究センター
2021年の実証では、発芽して葉が茂る4月下旬から12月中旬までの期間、7日に1度ドローンで上空から撮影した。空撮画像から、生育状況を表す植生指数(NDVI)を把握できるシステムを利用し、葉に異常がないかを確認する。NDVIが高いほど光合成が順調に行われていることを意味し、画像には赤色の光が反射して映る。
NDVIの低下が目立ったのは8月5日。大きな異常のなかった7月22日時点と比べて、画像中の赤色の減りが目立った。5日に通常のカメラでも空撮したところ、一部葉焼けが見られたが、土壌と同じような色で判別が難しかった。その後、摘果などを行わずに放置した結果、9月に枯死した。
23年、同様にNDVIが低下した木に全摘果などの処置をした結果、枯死を免れた。同研究所は「肉眼では葉の色の変化に気付きにくいことがある。NDVI値を定期的に確認することが枯死の防止に有効」と指摘。ドローンを使った見回りにかかる時間は10アール15分程度で、大規模な園地ほど作業を効率化・軽労化できるとみる。
カメラはDJI社の「P4Multispectral」を使用。同研究所によると、ドローン本体と合わせて約80万円だったという。