羽田空港の旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデングは、インバウンド需要の高まりを踏まえ、免税店での国産商品の品ぞろえを強化。全農と協業し、販売が実現した。
ワインは、ブドウ「マスカットベリーA」を使った赤ワイン「ニッポンエール 神御樹(KAMIJU)」と、ブドウ「甲州」を使った白ワイン「ニッポンエール 美御坂(BIMISAKA)」の2種類。原料はJAふえふき管内で厳選し、JA子会社のニュー山梨ワイン醸造が製造。八角形の箱に包装するなど高級感を演出した。販売はJAグループの商品流通を手がける戸田酒店が担う。
国際線が発着する第3ターミナルの出国手続き後の店舗で、限定500本ずつ販売する。日本空港ビルデングによると、同店舗での国産酒類の月間売上高はコロナ禍前の2019年から倍増した。全店舗の23年度上半期の客単価は、平均1万4900円に上る。
免税事業課の松田健作主任は「日本産の品質の高さは浸透しており、訪日客の購買意欲は旺盛」とし、ニッポンエールワインも年内に完売すると見込む。
売り場を視察したJAふえふきの小池一夫組合長は「日本を代表するワインとして並び、訪日客が購入してくれることはうれしい。生産者の励みにもなる」と期待を寄せた。
訪日外国人数は、新型コロナの水際対策が終了し、入国にワクチン証明書などの提示が不要になった昨年4月以降、徐々に増加。1~3月の累計で855万8100人と、同じ時期としては過去最高を更新した。政府は過去最高だった19年の3188万人を25年までに上回るとする目標を掲げており、前倒しで達成できる見通しが高まっている。
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