農作業の遅れ懸念 重機入れぬ畑も 北海道で季節外れの雪
【北海道・帯広】「4月下旬にこれほど雪が積るとは……」。帯広市の農家、福島斉さん(34)は、驚きながら35ヘクタールある農地を見渡した。
ジャガイモの植え付けは終了。テンサイは移植に向け畑の準備を終えたところだった。トラクターなど重機が入れるよう土が乾くのを待つ必要があり、「この雪で作業が少し遅れる。今年の春は雨が多く、週末の雨の予報も気になる」として天候回復に期待する。
【北海道・きたみらい】全国一のタマネギ産地として知られる北見市が本店のJAきたみらい管内では、4月中旬から定植作業が進んでいた。JA管内では29日の昼ごろに雨から雪へ変わり、夜まで降り続いた。同課は「生長点の生育は大丈夫。5月1、2日は気温が15度前後に上昇するとみられ、雪が溶ければ問題はない」とみる。
同JA管内のタマネギ作付面積は約4600ヘクタールで、収量は約27万2000トンを見込む。定植作業は現在、全体の5割方まで進み、5月中旬まで続く予定。
きたみらい玉葱(たまねぎ)振興会の加藤英樹会長は、4月22日から定植作業を開始。今年は約12・4ヘクタールで作付けを予定する。「たびたび降雨に見舞われて播種(はしゅ)作業は開始が例年より数日遅れたが、2、3月にハウス内で育てた苗は順調に生育した」として、今後の生育に期待する。
道は「現時点で作物に影響を与えるほどではない」とした上で、春まき小麦や飼料用トウモロコシの作業が遅れる可能性を指摘。作業が後ろ倒しとなった結果、「今まで重ならなかった作業と重なるなどの問題が今後、発生してくる」ことを懸念点に挙げる。