米不足が全国規模で続く中、読者とつながる報道に取り組む全国18紙と日本農業新聞が米に対する認識について合同アンケートをしたところ、全国の6590人(全体の93%)が将来の安定供給に「不安がある」と回答した。生産者への所得支援は「必要」との回答が9割に上り、米の輸入拡大に「反対」とする回答も多数を占めた。消費者、生産者を問わず、国産米の生産、供給の安定が必要と考える人が多かった。
アンケートは5月9~23日の間、各紙がLINEなどを通じて募集。7110人が回答した。内訳は消費者6346人、農業関係者は生産者501人、生産者以外が263人。多様な意見を聞き取る目的で、無作為抽出の世論調査とは異なる。
「5、10年後の米の安定供給に不安があるか」を尋ねると「不安だ」は73%。「やや不安だ」は20%だった。現時点でも米不足が続く中、「経済が衰退し、所得も低い日本人は今後、国産米を口にできなくなる日も来るのではないかと心配」(群馬県・公務員男性40代)と将来に不安を抱く人は多い。

将来にわたり稲作を続けられるよう「国が生産者の所得を支援する農業政策は必要か」を聞くと、全体の89%が「必要」と回答した。
消費者は89%、農業関係者は90%と同水準だった。「なぜ政府は農家への直接支援をしないのだろうか」(神奈川県・主婦30代)、「米作りは気温上昇にも多大な影響を受ける。農家にしっかりした補償や補助が必要」(広島県・農家男性60代)と、生産者へ支援が必要という認識は多くの人に共通していた。

輸入依存に対する危機感も根強かった。一部スーパーなどが外国産米の扱いを増やす中、米の輸入拡大に「反対」の回答は全体の60%を占めた。性別では男性に比べて女性の反対割合が多かった。「国は何らかで輸入がストップした時、どうするつもりなのか」(宮城県・主婦60代)といった懸念が広がる。