JAスマホ教室盛況 800回、1万人参加 全中・中金が支援
JA全中と農林中央金庫が支援する「JAスマホ教室」が全国41県域に広がり、1月末までの開催数が延べ約800回に上っている。参加者数は同約1万人。組合員の便利な暮らしや、JAとの非対面コミュニケーションの充実につなげる。暮らしに浸透し始めたデジタルの活用・普及に貢献する。
全中と農林中金は2021年度、携帯大手のNTTドコモ、ソフトバンクと連携し、全国のJAが簡単に各社の講師派遣を申し込める仕組みを整えた。講座の内容には、教室を先行開催したモデルJAでの組合員ニーズを反映。LINEなどの使い方を教える。講師の手配費用は農林中金が負担する。22年度も同様の仕組みで続ける。
デジタル技術に不慣れな高齢者らへの対応は、国も重視する政策課題。誰もがデジタル技術の恩恵を受けられることが重要だとし、支援事業を展開している。
JAグループは、組合員に身近なJAの強みを生かす。21年度末時点のスマホ教室開催数は延べ1200回超を見込む。講座内容の改善にも取り組む。
スマホ教室の推進は、第29回全国大会決議に盛り込んだ。組合員がデジタル化から取り残されないことや、コロナ禍で組織活動を続けるためのオンライン活用も目指す。
三重県JA伊勢は2月下旬までに約120回開き、延べ700人ほどが参加した。支店単位で同じ講座を繰り返し開催。会場は携帯電話販売店が近くにない中山間地域を主に選んだ。他地域でも、販売店が混雑し予約が取りづらいなどの理由でJAの教室を歓迎する人が多かったという。
JAは女性部内の連絡にLINEを活用したいと考え、職員が部員に操作を教えることを検討していた。今回の事業で講師を招くことができるようになったため、関心を持つ組合員を広く対象とし集中的な開催を決めた。
講座のうち1時間は講師がLINEの使い方などを指導。続く30分でJAが「JAバンクアプリ」「JA共済Webマイページ」を紹介する。
参加者の多くはスマホに不慣れで、JAが考えていたよりも初歩的な講座から始めるのがよいと分かった。担当者は「一度で覚えることは難しい。根気よく開く必要がありそうだ」(くらしの活動推進課)と話す。