■岐阜・関市 活用へ
開発のきっかけは、栗山さんが釣りをしていた時のこと。農家から「ジャンボタニシが稲を食べて困っているが、駆除のため強い農薬をなるべく使いたくない」という話を聞いたことだった。ジャンボタニシの大きさやピンク色の卵に驚き、どうにかしないといけないと考え、わなの作成に取り掛かった。
捕獲装置の材料は、市販されているプラスチック製植木鉢とペットボトルを利用した。まず植木鉢の側面3カ所にジャンボタニシの侵入口となる穴を開ける。穴の直径は、ペットボトルに合わせる。植木鉢の内側には、入ってきたジャンボタニシを閉じ込めて逃げ出さないようにするため、細かく切れ込みを入れたペットボトルを接着する。植木鉢にはふたをする。
侵入したジャンボタニシは、植木鉢の側面を登って外へ脱出しようとする。だが、自身の重さによって切れ込みを入れたペットボトルがしなり、捕獲装置の中に落ちて戻ることになる。
水田で仕掛ける時には、侵入口となる穴が作土部分と接するようにする。入ってきたジャンボタニシが一度、植木鉢の底の部分に落ちる構造とするため、穴は鉢の底より高い位置に開ける。
餌はジャンボタニシをおびき寄せるため、米ぬかを基にちりめんじゃこを合わせて団子状に練った。農家の協力を得て昨年8月中旬、半日~2日設置して実証した結果、30匹以上を捕獲した。栗山さんはさらに研究を続ける考えだ。
栗山さんは、昨年に開かれた関市発明展の小中学生を対象とした部門で市長賞となった。市は県のジャンボタニシ被害対策推進事業を活用して約50個の装置を作成し、農家に配布する予定だ。
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