JA全中などは11日、地域の「食」と「農」の課題解決に挑戦する高校生の取り組みを支援・評価する「全国高校生農業アクション大賞」の表彰式を、東京都内で開いた。大賞には子ども食堂やフードバンクに取り組んだ山形県立置賜農業高校が輝いた。準大賞には北海道の岩見沢農業高校と愛媛県立南宇和高校を選んだ。
大賞の置賜農業高校は、自らの力で食料を手に入れる「自助」と、互いに困難を乗り越える「共助」に着目。子どもたちと育てた食材を、子ども食堂などで使用。子どもたちの好き嫌いをなくすことを目指した。
3年生の安部善貴さんは「農業を通して地域活性化や担い手づくりに力を発揮したい」と語った。
準大賞の岩見沢農業高校は、醸造用ブドウの栽培活性化プロジェクトと題し、高品質な苗木生産に取り組んだ。南宇和高校は、「河内晩柑」の作業効率化と負担軽減に向けた、低樹高化栽培の実証実験に取り組んだ。
審査委員長を務めた教育評論家の尾木直樹さんは「問題を探求し、地域・JAと解決していこうと実践している姿勢が素晴らしい。課題を浮き彫りにし、解決策を考えていくのは若い高校生だ」と称賛した。
同大賞は、農業高校や、農業系学科がある高校の生徒らがグループで取り組む農や食に関する3カ年のプロジェクトや課題研究を評価する。同日の審査会で、大賞候補7校から大賞と準大賞を選んだ。