和歌山県産の梅「南高」と、パビリオンを手がける放送作家・小山薫堂氏の故郷、熊本県天草市の天然塩「あまくさンソルト」を使う。展示用の木だるには小窓がついており、梅から酢が出て、漬かっていく様子を来場者が観察できる。
この日、小山氏や、梅を提供する「紀州梅の会」の真砂充敏会長、梅干し組合の青年部組織「若梅会」、熊本県天草市の馬場昭治市長、製塩業者らが参加。「南高梅いきます」「次はあまくさンソルト」と来場者らとかけ声を合わせながら30キロの梅と塩を木だるに入れた。
1トンの梅漬けの本格的な展示は24日からを予定。小山氏は「万博の思い出のしおり、子孫に向けた自身の存在の証しとして万博漬けが記憶を未来につないでくれる。25年後に産地で会いましょう」と来場者らに呼びかけた。

若梅会は同日、「梅の日」に合わせて万博会場内で梅干しを無料配布した。同県の梅は2年連続で降ひょう被害を受けた。「傷はあるけど味は確か」とパッケージに記載し、自然界の試練や、それを受けた産地の力強さ、味や香りの良さを来場者らにアピールした。
梅は24年産で、「熱中症対策に梅干しいかがですか」などと呼びかけながら、配った。同会会長の濱田朝康さん(47)は「傷をマイナスに捉えるのではなく、傷があっても和歌山の梅はおいしいんだと発信できる好機にしたい」と胸を張る。
(島津爽穂)