ブロッコリーの茎を廃棄するのはもったいない――。こうした思いから、花蕾(からい)のカット加工時に発生する茎を使った新商品が相次いで登場している。ポタージュやアイス、スムージー、チップスなどさまざまで、近年のブロッコリー人気が追い風になる。食品ロス削減の価値も合わせ、消費者の購買意欲を高めている。
愛知県産ブロッコリーの茎を使ったアイス(左)、カレー味のポタージュ(KOMPEITO提供)
KOMPEITO(東京都品川区)が運営する社食サービス「オフィスで野菜」は2月、愛知県産ブロッコリーの茎を使った「ブロッコリーのカレーポタージュ」を発売した。原料の茎はJAあいち経済連が販売するカット花蕾の時短商品への加工時に発生するものを使う。
同社は、フードロス削減の一環として、廃棄される端材や規格外野菜を使った商品開発に取り組んでおり、2023年9月には同県産ブロッコリー茎を20%使ったアイスを発売していた。
同経済連は「ブロッコリーは茎も栄養価が高く甘味がありおいしい」と指摘。同社は「ブロッコリーを多く使っているので野菜不足が気になる人にお薦め」と話す。
ニッキーファームが今春の発売を予定する「ブロッチ」(千葉市で)
徳島市でブロッコリーを40ヘクタール栽培するニッキーファームは今春、茎を輪切りにして揚げたスナック菓子「BROCCI(ブロッチ)」を発売する計画だ。うま味や甘味が強く、食物繊維や葉酸などが豊富なブロッコリーの良さを引き出す。
使用するのは業務用ブロッコリーなどの茎。「おいしいのにもったいない」(仁木光俊代表)と昨夏から商品化を検討。試作したところ取り引き先のスーパーの反応が良く、実用化を決めた。
何も味付けしないプレーン味など2種類。仁木代表は「どれもお薦めだが、プレーンを試してほしい」と話している。
セブン-イレブン・ジャパンは、店頭で作る「グリーンスムージー」にブロッコリー茎を使用。花蕾をサラダやグラタンに使い、茎をピューレ化してキューブ状に冷凍しスムージーに入れる。フードロス削減の取り組みとしている。