[ニッポンの米]備蓄米、徐々に店頭へ 主要銘柄は値上がり 本紙調査
調査は5月上旬の平日に実施した。備蓄米と思われるブレンド米の価格は5キロ3671~4082円。同じ棚に並ぶ単一銘柄の米よりも2、3割安く、次々と買い物客が籠に入れた。値札や店内広告(POP)などで備蓄米販売の形跡が見られた店では、店員に次の入荷予定を尋ねる客の姿もあった。
備蓄米を扱っていない5店舗は、低価格での販売を重視した安売り系のスーパーや店舗数が少ない中小のチェーンが多かった。
主要銘柄米の新潟産「コシヒカリ」は5キロ当たり平均で4964円、秋田産「あきたこまち」は同4876円。両銘柄とも前月同旬より値上がりした。新潟産「コシヒカリ」は6店舗、秋田産「あきたこまち」は7店舗で欠品していた。
一方、割安な備蓄米が並び始めた影響で他の単一銘柄米は割高に映るためか、精米から1カ月近くたっても売れ残っている商品が目立った。見切り品として割引シールが張られていた店もあった。
備蓄米と同じく、割安な米として注目が集まるのが輸入米。数千~数万トン規模で民間輸入を決めた業者が出てきている。4月調査では複数店舗で見られた米国のカリフォルニア産米は、今回の調査では一店も確認できなかった。今後、備蓄米の出回り量が増加する見通しが広がる中で、調達を様子見する動きがあるとみられる。
(金子祥也)