ジャンボタニシ集まりました マイナス電極で誘い密度把握 効率防除へ長崎の高専開発
ジャンボタニシの対策には、①秋の石灰窒素散布②冬期の耕うん③田植え後の浅水管理④農薬散布――などがある。だが、全て実施すると農業者の負担は大きい。個体数を簡単に把握する方法はなく、発生が見込まれる水田ではできる限り対策を重ねている。
同高専は、水田内に電極を差して電流を流すと、ジャンボタニシがマイナス電極の付近に集まる習性に着目。12平方メートルの実験用水田の中心にマイナスの電極を差し、ジャンボタニシを1平方メートル当たり2、4、10匹の密度で放して電流を流した。
その結果、マイナス電極付近に集まるジャンボタニシの数は、それぞれの密度に比例して増減した。このことから同高専は、集まった個体数を基に発生量を推定できるとみる。
今後、実用化に向けて、実験した水田より大きい規模で試験する計画だ。同高専の柳生義人准教授は「発生密度が推定できれば、的確な防除につながる」と期待する。
ジャンボタニシはこれまでに西日本を中心に35府県で確認。10万ヘクタール以上で発生したと推定されている。